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残春はさ迷える子羊達のコンチェルト  作者: Mr.M
第10楽章 氷の微笑

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97/114

第97話 押し寄せるエクスタシー

「ギシギシギシ」

ベッドが不快な音を立てていた。


灯りが消えた部屋の中。

僕は柔らかいベッドの上に

裸で横たわっていた。

そして。

僕の上では娼婦が全裸で、

思いのままに腰を振っていた。

ほんのり紅く染まった

釣鐘型の大きな胸が、

その動きに合わせて

ぽろんぽろんと揺れていた。

時折。

娼婦の口から喘ぎ声が漏れた。

僕は娼婦から目をそらし、

左に顔を倒した。

未亡人が目を見開き、

天井を見つめていた。

少しだけ視線を動かすと、

胸に突き刺さったままの

包丁の柄が目に入った。

薄闇の中で、

その柄が怪しく光っていた。


「ギシギシギシ」

ベッドが不快な音を立てていた。


「か、菅野さん・・。

 も、もう我慢できません・・」

「はぁはぁ・・ダメよ。

 それに・・。

 あかりって呼んで」

腰を揺らしている娼婦の手が、

僕の腹の上を

好き勝手に這い回っていた。

ふいに。

娼婦の指先が僕の乳首を刺激した。

「うっ・・!」

思わず声が漏れた。

「うふふふ。

 ここが弱いのね?

 可愛いわね」

そう言うや否や、

娼婦の腰の動きが一段と速くなった。

「だ、駄目ですっ・・!

 あ、あかりさんっ・・!」

押し寄せる快感に脳髄が痺れた。

次の瞬間。

僕は勢いよく菅野の中に放出した。

同時に。

娼婦の絶叫が部屋に響いた。

その喜悦の声を聞きながら、

僕は、

ここが防音設備の施された建物で

良かったと心から思った。

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