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残春はさ迷える子羊達のコンチェルト  作者: Mr.M
第8楽章 フェア・ゲーム

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83/114

第83話 3枚のカード

遊戯室の柱時計が

コツコツコツと時を刻んでいた。


「・・私の考えは。

 西岡さんとは違います」

ふいに。

千雪が口を開いた。

「鈴木さん、

 お手数ですが。

 そこにある『クラブの2』を

 見せてくれませんか?」

「う、うん?」

僕はカードを手に取って、

千雪の前の

小さな丸いテーブルに置いた。

「ありがとうございます。

 それと。

 鈴木さんの『クラブの6』も

 貸して下さい」

「えっ?」

千雪が何を考えているのか

わからなかったが、

僕は『クラブの2』の隣に、

『クラブの6』を置いた。

千雪は2枚のカードを重ねると、

ポケットから別のカードを取り出した。

それは『クラブの8』だった。

「先ほど。

 六条さんの部屋で拾った物です」

そう言って、

千雪は先ほどの2枚のカードに、

『クラブの8』を重ね合わせた。

そして。

小さく溜息を吐くと、

ただ一言、

「やっぱり・・」

と呟いた。


遊戯室の柱時計が

コツコツコツと時を刻んでいた。


「・・やっぱり?」

僕が首を傾げると、

少女は大きく頷いた。

「恐らく。

 【犯人】は六条さんです」

「はへっ!」

僕の口から奇妙な声が漏れた。

「何・・だと?」

西岡が眉をひそめた。

「・・証拠はこれです」

千雪はそう言って、

3枚のカードを目の前に掲げた。

「これらのカードですが。

 『クラブの2』と『クラブの6』は

 ブリッジサイズですが、

 『クラブの8』は

 ポーカーサイズです。

 つまり。

 六条さんのカードは偽物です」

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