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第81話 【犯人】
遊戯室の柱時計が
コツコツコツと時を刻んでいた。
「こ、これは・・」
僕はカウンターの上に置かれた
カードをぼんやりと見つめていた。
「見ての通り。
【市民】のカードだ」
「一体どこで・・。
まさか・・。
郷田さんの部屋にこれが?」
僕は恐る恐る西岡の表情を窺った。
西岡は白い歯を見せた。
「ああ。
正確には。
郷田のズボンの後ろポケットに
入っていた」
「・・し、死体を調べたんですか?」
千雪は眉をひそめ、
咎めるような眼差しで西岡を見た。
「そんな目で見るなよ、
お嬢ちゃん」
西岡が
「くっくっく」
と笑った。
僕はそっと深呼吸をした。
「・・どちらにせよ。
これで。
郷田さんが
【市民】であることが
証明されたんだね」
つまり。
それが意味することは・・。
【犯人】は。
西岡か千雪のどちらか一方、
ということになる。
僕はゆっくりと視線だけを動かした。
西岡はカウンターに肩肘をついて、
ジンジャーエールの瓶を
ゆらゆらと揺らしていた。
千雪はグラスを
両手でギュッと握り締めていた。




