第77話 フェアプレイ
遊戯室の柱時計が
コツコツコツと時を刻んでいた。
「・・そうですか。
西岡さんは私が【犯人】だと
考えているんですね・・」
カウンターの横の
小さな丸テーブルの前で
車椅子の少女が
両腕を抱えて身を縮めていた。
「うん・・。
正確には。
彼は・・。
君が【犯人】で
あろうとなかろうと、
君を排除するべきだと考えている。
郷田さんが【犯人】であることを、
今更証明することは
できないからね。
ならば。
万が一を考えて、
君も殺すべきだと・・」
「わ、私は・・」
「わかってる。
彼の主張は、
同様に君も主張できるからね。
だから。
こうして僕は、
君からも話を聞くことにしたんだ。
そうしないと。
フェアじゃないからね」
車椅子の少女が
恐る恐る部屋を見回した。
「今・・西岡さんはどちらに・・?」
「彼は郷田さんの部屋に行ったよ」
「えっ・・。
死体のあるあの部屋に・・?」
千雪は訝しげに眉を寄せた。
「うん。
・・それに関することだけど。
君に聞きたいことがあるんだ」
僕は千雪の目を見た。
少女の憂いを含んだ瞳が、
左右に不安げに動いた。
「・・このゲームの参加者には全員、
何らかのアイテムが
支給されている。
それが。
僕と西岡くんの共通の見解だ。
彼にはパスポートが。
そして。
僕にはコレが」
僕はポケットから
腕時計を取り出した。
千雪がちらりとそれを見た。
「そこで聞きたいんだ。
・・君には何が、
支給されたんだい?」
そう言って、
僕はコホンと小さく咳をした。
遊戯室の柱時計が
コツコツコツと時を刻んでいた。
「・・そのことですが。
それを話す前に。
私も六条さんに
お聞きしたいことがあります」
「六条さんに・・?」
千雪は小さく頷いた。
「菅野さんの言葉に従い、
先に六条さんを解放して、
皆さんが揃ってから、
お話ししてもいいですか?」
少女の瞳が、
真っ直ぐに僕を捉えていた。




