↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
残春はさ迷える子羊達のコンチェルト  作者: Mr.M
第7楽章 パーフェクト・ストレンジャー

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
76/114

第76話 名も無き男の推理

風が吹いていた。


「くっくっく。

 俺は自分が

 【犯人】でないことを知っている。

 死んだ郷田が

 【犯人】でなければ。

 あの車椅子のお嬢ちゃんが、

 【犯人】としか考えられない」

「それは君の言い分であって、

 彼女にも同じ理屈が

 当てはまるんだよ」

次の瞬間。

スッと闇が落ちた。

ふたたび雲が月を隠したのだ。

「・・だが。

 お嬢ちゃんはまだ、

 自分の支給品を公開していない。

 怪しいと思わないか?」

「・・弱いね」

「あのお嬢ちゃんを疑う理由は、

 他にもある」

男が小さく息を吸い込んだ。

「まず1つ。

 お嬢ちゃんの

 役職公開のタイミングだ。

 彼女が『クラブの7』を

 宣言したのは確か・・」

そこで男は一度口を閉じた。

「【市民】の中では一番最後だよ」

暗闇に向かって、

僕は相槌を打った。

「つまり。

 最後に残った数字を

 答えるだけの簡単なゲーム。

 お嬢ちゃんの宣言した

 『クラブの7』こそが

 郷田のカードで、

 彼女のカードは、

 『スペードの2』だ。

 まさに。

 残り物の福を引いたんだ」

男の話には、

それなりの説得力があった。

【犯人】は【市民】を騙りたい。

だが。

【市民】の中に

カードを持つ者がいる可能性を

考えた場合、

迂闊に騙ることはできない。

だから。

千雪は最後にカードを宣言した。

唯一残された

【市民】のカードである

『クラブの7』を。


風が吹いていた。


「さらに。

 お嬢ちゃんは、

 郷田が【犯人】だと

 主張していたにも関わらず、

 あの派手な姉ちゃんを

 牢屋へ送り込むよう仕向けた。

 1度目は投票によって。

 2度目は場の空気を利用して」

雲が流れて満月が顔を出した。

月明りが僕の全身を包み込んだ。

にもかかわらず。

心の闇は晴れなかった。

「・・あんたが。

 あのお嬢ちゃんのことを

 どう思ってるのか知らないが。

 彼女はあんたが考えているよりも、

 ずっと狡猾で

 したたかな女かもしれないぜ」

名も無き男はそう言って、

口元を歪ませた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。