第16話 8人目の参加者
応接室の柱時計が
コツコツコツと時を刻んでいた。
「・・そ、それよりも。
・・あ、あの死体は誰ですか?」
ふいに。
六条が恐る恐る口を開いた。
「恐らくだが。
あの死体の男が、
8人目の参加者だったんじゃないか」
西岡は招待客ではなく、
参加者という言葉を使った。
「ちょっと待ってよ。
アタシはこんなゲームに
参加したつもりはないわよ?」
菅野が露骨に不満を露わにした。
「わ、わたしだって!
お、同じです!
何をさせられるか知っていたら、
こんな所には来ませんでした!」
六条が菅野の発言に同意した。
「儂もこんなくだらんゲームには
参加せんぞ!」
宮崎も声を荒げた。
「・・残念だが。
実際、
すでに1人死んでるんだ。
ゲームはすでに始まってるんだぜ」
西岡の言葉が虚しく響いた。
「2階で亡くなっていた方が
8人目の参加者だとして・・。
その方は、
いつ殺されたのでしょうか・・」
佐藤がぽつりと疑問を口にした。
「それに関して。
1つ確認したいんだが。
あの男の存在を
知っていた奴はいるか?」
西岡がふたたび口を開いた。
皆がお互いの顔を窺いつつ、
首を振った。
「ふうん。
ま、いいか」
西岡はそれ以上の追及をしなかった。
「じゃあ。
ここに到着した順番を教えてくれ」
代わりに西岡はそんなことを言った。
「俺が着いた時。
この部屋にはすでに4人がいた。
その中にはあの男はいなかった。
俺より後に来たのは、
あんたとそれからあんただな」
そして西岡は六条と僕を指差した。
僕達は小さく頷いた。
「儂が最初にここに来たが、
その時、
この部屋には誰もいなかったぞ」
宮崎はそう言って、
大袈裟に手を挙げた。
「その次は私達でしょうか?」
佐藤が手を挙げて平原の方を窺った。
平原が静かに頷いた。
「そうだねぇ。
偶然、
門の前で会ったからねぇ」
「次はアタシかな?
それより。
これで何がわかるのよ?」
菅野が面倒臭そうに答えた。
「くっくっく。
まだわからないのか?
あの男を殺せたのは、
1人しかいないんだよ」
西岡がにやりと口元を歪めた。
皆の顔に緊張が走った。
「だ、誰なんですか!
誰が殺したんですか!」
六条が震える声で叫んだ。
「・・あの男を殺せたのは。
少なくとも。
今ここにいる人間の中では、
一番最初に
ここに到着した者だけだ」
そう言って、
西岡は宮崎を指差した。
皆の視線が宮崎に集まった。
「ま、待て、待て!
な、何で儂が、
見ず知らずの男を
殺さなくちゃならんのだ!」
宮崎が慌てて弁解した。
「それはアンタが
このゲームの【犯人】だから。
じゃないの?」
菅野の言葉が無情に響いた。




