第102話 シミュレーション 鈴木太?の視点
応接室のドアの前で、
僕は大きく息を吸った。
多少のアクシデントはあったものの、
ここまでは
十分に満足のいく結果だった。
娼婦の巧みな寝技も
なかなかだったが、
処女の瑞々しい肉体には
敵わないだろう。
若く美しい処女を、
1から調教していくことを想像すると、
自然と口元が緩んだ。
気が付けば。
僕の下半身は
ふたたび固くなっていた。
僕は両手で頬を叩いた。
まだ油断はできない。
肝心なのはここから。
僕はもう一度、
頭の中でシミュレーションをした。
それから。
ゆっくりと息を吐き出して、
静かにドアを開けた。
ソファの横にいた車椅子の処女が
振り返った。
「だ、大丈夫ですか?
随分遅いから・・。
何かあったのかと・・。
すごく・・心配しました」
千雪の目には、
不安の色が浮かんでいた。
僕は力なく微笑んでから、
ソファにドンッと腰を下ろした。
そして。
若干大袈裟に首を振った。
「僕の推理通り。
六条さんを殺したのは・・。
菅野さんだったよ」
千雪の表情が強張った。
「か、彼女がそう言ったんですか?」
「・・うん。
少しでも多くの報酬が
欲しかったらしい」
「そ、それで・・。
か、菅野さんは今どちらに・・?」
「・・死んだよ」
千雪がハッと息を呑むのがわかった。
応接室の柱時計が
コツコツコツと時を刻んでいた。
「何か・・。
飲み物をくれないかな」
僕がぽつりと呟くと、
千雪は小さく頷いて、
部屋を出ていった。
応接室の柱時計が
コツコツコツと時を刻んでいた。




