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なみだのいろ

ちゃぷん

胸の奥で聞こえる水音


満月の湖に足首までつかり

星の砂を手に流して

黒い小鳥と遊ぶ


くちばしから囁かれる甘さ

水面はやがて膝に達して

振り向いた先の白いウサギ


自由はどこでもらえるの


黒い小鳥が仲間を呼んで

水面は腿の高さへと


吸い込まれそうだよ

吸い込みそうだよ

この空っぽの世界は

星の砂と月の海で窒息してく


未来はどっちで見つかるの


黒い小鳥の甘い不協和音

視界を覆って湖畔を目指して

腰から胸へと迫る水面


吐きだしたかった

聞いてもらいたかった

分からなかった

教えてほしかった

見つけたかった

何もしたくなかった


闇夜に浸る五臓六腑

染みて溺れて動きを緩めて

ひどい眠気


ウサギさん

あなたはわたしのゆめかしら

こんな近くにいるなんて

触れてもいいのかしら


足がつかない満月の湖

星の砂は傷口にしみる


吸い込むのも

吸い込まれるのも

いや


酸素と一緒に言葉をなくした

私のなみだのいろは


なにいろ?


読破ありがとうございました。

この詩集は40篇で終わりです。


前作『空とティータイム』とは違い、『なみだのいろ』は内なる感情を中心に言葉にしました。

加えて、タイトルの影響かマイナスイメージを彷彿させる言葉たちが多かったように思います。

じっくりと鑑賞してもらえれば幸いです。


それでは、最後にもう一度、ありがとうございました。

壱宮



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