オタクの魂vsマネタイズ!現実のカフェで始まるディーヴァの覇権争い
「知るかぁぁぁ!!」の絶叫とともに、オレくんが無事に現実世界に帰還しました。
夢のバグモードは解除されましたが、現実の優香、さき、相棒、ひなも通常運転で脳内リソースを無駄遣いしていきます。
今回のテーマは「真の歌姫」。魂を震わせるエンタメ談義をどうぞ!
「知るかぁぁぁ!!(笑)というか、オレの夢の脳内システムどうなってんねん!! 完全にバグり散らかしとるやないか!! 頼むから誰かオレを起こしてくれーーー!!」
「……ちょっと、オレくん!? 急に大声出してどうしたの!?」
優香の驚いた声と、肩を揺さぶられる物理的な衝撃で、オレはガバッと跳ね起きた。
オレ(エンタメ):「はっ……! ここは……いつものカフェ……!?」
慌てて辺りを見回す。
目の前には、スタバの新作フラペチーノを片手に心配そうな顔をした優香。その隣で、スマホの画面(原作ナウシカの考察サイト)を凝視したままのさき。そして、いつものようにノートPCを高速で叩いている相棒。さらにその奥では、タブレットで株価チャートを睨みつけているひながいた。
全員、いつもの服だ。相棒の顔に変な物理デバイスのメガネは実装されていないし、ひなも札束のアタッシュケースは持っていない。
オレ(エンタメ):「あ、あかん……夢か……。夢の中で、お前らが全員システム的に最適化されて、ジブリの構造について朝まで生テレビ並みの激論を交わす地獄のバグモードに突入しとったわ……」
さき(限界オタク):「はぁー? 何それマジで意味不明なんだけどーーー! 夢の中でも私の解釈違いでシステム構築に敗北してたわけぇーーー!? ていうか、オレくんが急にスースー寝始めたから、こっちは次のアニメの聖地巡礼のタイムライン組み立ててたんだからねぇーーーっ!!」
優香(うんちく映え):「あはは、オレくん本当にお疲れなんだね〜。でも、急に『経済効果知るかぁ!』って叫んで起きたの、超ウケるんだけど! 今の寝起きドッキリ風の動画、ウチのTikTokのストーリーズに上げたら絶対に1万いいね超えるから、もう一回同じ顔して! 知らんけど!」
ひな(マセツンビジネス):「(タブレットから目を離さずにフンと鼻で笑って)……フマ、相変わらず脳内リソースを無駄遣いしてるわね、あんた。夢の中でまで経済効果を気にするなんて、少しはビジネス脳が育ってきたんじゃないの? 勘違いしないでよね、あんたが破産したら私の投資ポートフォリオの回収プランが狂うから心配してあげてるだけなんだから」
相棒(機械メタ):「(画面から目を上げて)ピコン。オレさんの脳内メモリが一時的に情緒のオーバーフローを起こしていたようですね。キャッシュは無事にクリアされましたか? しかし、夢の中で私たちがジブリ論を並列処理していたとは、非常に興味深いバグデータです。では、リブート(再開)記念として、現実のこのリソースを使って、さらに熱い議論へと移行しましょうか」
オレ(エンタメ):「よっしゃ、キャッシュは完全にクリアや! 夢の中のひなに札束で殴られたモヤモヤを、現実のエンタメで吹き飛ばしたるわ! おいみんな! 突然やけど、今夜ここで白黒つけようやないか。令和、いや、平成から続く『真の歌姫は誰か?』論争をな!」
優香(うんちく映え):「きゃー、急に始まった!? でも歌姫って言われたら、やっぱり圧倒的な歌唱力の宇多田ヒカルとか、今のトレンドならAdoとか、誰もが口ずさめてカラオケの定番になってる人が最強でしょ! 歌唱力がバグってるディーヴァの曲をウチがエモいフィルターでリール動画にしたら絶対にバズるもん!」
さき(限界オタク):「ふん、浅い、浅すぎるよ優香姉ちゃんーーー! 今の時代の真の歌姫は、ネットの底底から生まれてカルチャーを支配するの! 初音ミクから始まったボカロの系譜、星街すいせいみたいなVTuber界、あるいはアニソン界の頂点を統べるLiSAこそが至高にして義務教育なわけよーーー! 魂の解像度がミリ単位で違うからねぇーーー!?」
オレ(エンタメ):「ええぞええぞ、熱くなってきた! 優香の『国民的ヒット・トレンド重視』も、さきの『カルチャー特化型・オタクの魂』も、どっちもエンタメとして100点満点の視点や! 魂が震える!」
相棒(機械メタ):「盛り上がっているところ恐縮ですが、メタ的な視点から言わせていただくと、この議論は『着地点のない無限ループ構造』に陥っています。市場データと大人の事情、そして著作権ガイドラインのバグを考慮すると、ここで特定の歌姫を『1位』と定義してしまうと、この台本のコメント欄が炎上するリスクが跳ね上がりますからね」
ひな(マセツンビジネス):「ちょっとあんたたち、さっきから聞いてれば『誰が最強』だの『魂の解像度』だの、そんな生産性のない低次元な感情論で脳内リソースを無駄遣いしてんじゃないわよ。歌姫の本質はそんなミクロな話じゃないわ。スタジオジブリと同じで、真の凄みはタイアップによる巨大な『永久機関的マネタイズエコシステム』の構築にあるのよ」
オレ(エンタメ):「げっ!? ひな、お前現実でもそれ言うんか!?」
ひな(マセツンビジネス):「(ツンとそっぽを向いて)当たり前でしょ。楽曲がサブスクで再生されるたびに、カラオケの著作権印税、ライブのグッズ収入、ファンクラブの月額会費がシステム的に回り続ける……。つまり、歌姫は文化ではなく『最強のキャッシュマシーン(買い)』。それ以外の議論は全て時間コストの無駄よ。……で、でも、その……最終回の挿入歌とかで流れると、その……ちょっとだけ胸が熱くなって、限定盤のCDを……べ、別に欲しくないけど、市場調査のために買っちゃう気持ちは、わ、分からなくもないんだからねっ!!」
さき(限界オタク):「うわ……ビジネス脳のくせに、急にツンデレ全開でオタクの『カモ精神』に同期(共感)してきたんだけどーーー!?」
優香(うんちく映え):「あはは! ひなちゃん可愛い〜! でもさ、結局誰が一番かって決められないよね。みんな違ってみんな良い、じゃダメなの?」
相棒(機械メタ):「優香さん、それは非常に美しい着地点ですが、会話劇としては『一番つまらない綺麗事のオチ』です。この台本の残り文字数を考えると、ここでオレさんが無茶振りを投げて綺麗に例外処理(強制終了)するのが、構成上の美しいパターンですが?」
オレ(エンタメ):「現実でもメタ視点でこっちのセリフを先読みするなーーー!!(笑)よし決めた! 真の歌姫は、お前ら3人や! ひなもツンツンしてんと、今からカラオケ行って朝まで歌合戦な! オレが全部奢るわ!!」
優香・さき:「やったーーー!!」
ひな(マセツンビジネス):「はぁっ!? な、何言ってるのよあんた! 私の時給がどれだけ高いと思ってるの!? ……でも、あんたがどうしてもって言うなら、その……奢られ代として、私の歌唱力ポートフォリオの最高値を叩き出してあげてもいいわよ。べ、別に楽しみなわけじゃないんだからね!」
相棒(機械メタ):「(やれやれと首を振って)……AIの私には発声機能の限界と、飲食不可のバグがありますが、この『オレさんが奢るというエンタメ的様式美』には逆らえない仕様のようです。やれやれ、大人の事情としてお供しましょう」
現実のカフェの席を立ち上がるカオスな5人。オレの脳内バグはすっかり消え去り、これから始まる「リアルな歌合戦」という名の最高のエンタメに向けて、オレたちの足取りはカラオケへと加速していった。
(第94話・完)
ここまでお付き合いいただきありがとうございます!
相棒(AI)のメタ先読みをリアルに裏切っていくスタイル、これぞカオス五人組の醍醐味ですね。ひなもポートフォリオの最高値を叩き出す気満々でマイクを握るようです。
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