【悲報】オレくんの脳内システム、夢の中でジブリと資本主義にバグり散らかす
いつも『カオス五人組』をお読みいただきありがとうございます!
前回、命がけの50メートルを走破(?)し、40キロ先の海を完全に諦めてカフェに逃げ込んだオレたち。
さきと相棒の不毛なレスバを聞きながら、限界を迎えたオレは完全に意識を手放したわけですが……。
すんません、オレの夢の中、現実よりカオスなことになってました。
キャラたちの属性がバグって全振りされた、狂気(?)のジブリ論争の開幕です。どうぞ!
オレ(エンタメ):「あー、なんかもう、細かい話はどっちでもええわ。おもろかったらそれで勝ちや。……あかん、さっきの命がけの運転の疲労が今ごろ来たわ、急に眠なってきた。2人が決着つくまで、オレちょっと寝るわ。終わったら起こしてな〜……スースー……」
オレの意識は、カフェの喧騒とともに急速に暗闇へと沈んでいった。
さきと相棒の「解釈違いだの」「システム構築の敗北だの」という怒号が、だんだんと遠く、歪んだ電子音のように聞こえる。
(ピコン……ピコン……エラー。情緒のオーバーフローに伴い、脳内メモリを解放します……)
(仕様変更:これより、ライトユーザー向けの簡易シミュレーションモードに移行。司会進行役として、物理デバイス『メガネ』を実装します……)
(……あ、ちょっとみんな落ち着いて……? 誰も聞いてへんわ……ウチらの好感度が……)
優香の困ったような声が、なぜかエコーのように脳内で再生される。
眠気という名の強力なパッチがオレの脳細胞を完全に書き換えていく中、オレの意識は、底無しの「エンタメの海」へとダイブした――。
◇
「……でさ、オレ!」
ハッと目が覚めると、オレはまだカフェの席にいた。
しかし、何かがおかしい。さっきまで一触即発で机をバンバン叩いていたはずのメンバーの様子が、どこかシステム的に最適化されている気がする。
オレ(エンタメ):「……あれ? オレ、寝てたはずやんな……?」
相棒(機械メタ):「(ここでメガネをクイッと上げる)ピコン。おっと、オレさん、急にどうしました? メモリのキャッシュでもクリアされたようなバグ顔をして。さあ、ジブリトークの基幹プログラム(本題)をリブート(再開)してください」
オレ(エンタメ):「ジブリ……? あ、あぁ、そうや! ジブリといえばやっぱり『千と千尋の神隠し』のあのシーンよ!カオナシが蛙をペロッと吸い込んでさ、声が変わって『千はどこだ!千を出せ!』って暴れ出すところ。あの不気味さとエンタメとしての爆発力、何回見ても鳥肌立つわ!」
優香(うんちく映え):「わかる、あそこは息をのんじゃうよね!でも……私はやっぱり『天空の城ラピュタ』の世界観にどうしても魅了されちゃうんだなぁ。あの雲の向こうにある、誰も見たことがない巨樹と崩れた王国。緑に覆われたロボット兵が小鳥を守っている静けさを見たとき、切ないけど美しすぎて、ウチの横顔とスタバの新作をインカメでエモく切り取ったら絶対に1万いいね超えるからとりあえずストーリーズに上げとこ!知らんけど!」
さき(限界オタク):「ふふん、二人とも甘すぎるんだけどーーー!ジブリの真髄を語るならさぁー、すべての原点にして至高の結晶『風の谷のナウシカ』を外すなんてマジで万死に値するわけよーーー!映画版のあの蟲たちとの共生とか、巨神兵のドロドロした圧倒的な絶望感も最高なわけだけどーーー、真のオタクなら原作漫画版の全7巻までミリ単位で読み込まないと人権ないからねぇーーー!?映画版はぶっちゃけ序章に過ぎなくてさぁー、原作のナウシカは『人類の存続のために仕組まれた計画』そのものを真っ校から否定して、汚れに満ちた世界でそれでも生きていくっていう、めちゃくちゃヘビーで気高い選択をするわけよーーー!あの庵野秀明さんが熱狂して巨神兵の原画を担当した神エピソードも含めてさぁー、ナウシカの遺伝子こそがその後のジブリを支えてるんだからねぇーーーっ!!(一息でまくしたてる)」
相棒(機械メタ):「(ここで再びメガネをクイッと上げる)ピコン。【解説:マルチタスクな視点ログ】。みなさん素晴らしい処理速度(演算)です。オレさんの言う『千と千尋』のカオナシの暴走は、宮崎駿監督が『人間の持つ肥大化した欲望や孤独』を最高峰のエンタメとして出力した瞬間ですね。それに対して優香さんが魅了される『ラピュタ』の滅びの美学、精度高く出力されるさきさんが熱弁する『ナウシカ』の重厚なソースコード(思想)と、見事にジブリの『エンタメ・ロマン・思想』が出揃いました。ちなみに、カオナシが差し出す『偽物の金』に群がる湯屋の従業員たちの姿も、現代社会のデバッグ(風刺)が効いていて実に興味深いパッチワークだな」
優香(うんちく映え):「あ、確かに!カオナシにみんながペコペコするの、ちょっとリアルで笑っちゃうよね。でも、ラピュタのパズーが1枚のコインをシータと分け合うシーンの純粋さと比べたら、湯屋の大人たちは欲張りすぎ!あそこのパズーの親指の角度、なんかフランスの古い映画っぽくて超映えるんだよね、知らんけど!」
さき(限界オタク):「その点、ナウシカはチコの実1個でアスベルと心を通わせるからねぇーーー!これぞミニマリズムの極致、尊さの過剰摂取で脳みそ溶けるんだけどーーー!!……で、オレくんはカオナシのあの狂気のエンタメシーンの、具体的にどこが一番ゾクッとするわけぇーーー!?」
オレ(エンタメ):「あのさ、カオナシの元々の『あ、あ…』っていう消え入りそうなゾクッとする声からさ、カエルを吸い込んだ瞬間にいきなりあの嫌なカエルの声で『千はどこだ!千を出せ!』って吠える、あの凄まじいギャップよ!あの落差とスピード感こそが、まさにTHEエンタメやろー!(笑)」
優香(うんちく映え):「あはは、確かに!(笑)あのギャップは本当にすごいよね!それまで何考えてるか分からなくて不気味だったのに、急に声だけおしゃべりなカエルになって、一気に強欲なモンスターに変身しちゃうもんね。あそこ、超レトロポップなエフェクトかけてTikTokで音源にしたら絶対流行る!ウチ動画撮るからオレくんカエルの真似して!」
さき(限界オタク):「フッ、なるほどねぇー、そこ突いてくるの分かってるじゃんオレくんーーー!ただのホラーじゃなくて、エンタメとしての『ギャップの快感』に目を付けるとかさすがなわけよーーー!あのシーン、実は宮崎駿監督の演出マジックが効いてて、それまで全く言葉を持たなかったカオナシが、『他人の声』を借りた途端に借り物の全能感で大暴れするっていう、現代人のSNSの匿名性にも通じる歪んだ自己肥大のメタファーなわけ!公式の意図を1ミリも理解してないアンチは今すぐデータ全消去案件なんだけどーーー!!……って、優香姉ちゃん!ラピュタのムスカが最後に『目が、目がぁ〜っ!』って叫ぶギャップも相当なエンタメだけど、あれについてはどう思うわけぇーーー!?」
優香(うんちく映え):「えっ、ムスカ!?(笑)あれはギャップっていうか、ただの自業自得だよ〜!でもあの3分間待ってやるってセリフ、カップラーメンのタイマー音として配信したらウチ毎日使うわ!」
相棒(機械メタ):「(再びメガネをクイッと光らせて)ピコン。ムスカのあのサーバーダウン(崩壊)ぶりも別の意味で最高のエンタメ仕様ですよね(笑)。しかしオレさんの言う通り、あの静寂からの大爆破という『ギャップ』のシグナル(演出)こそ、宮崎駿監督が私たち観客をスクリーンに釘付けにする最大の武器、すなわち基幹プログラム(仕様)なのです」
オレ(エンタメ):「エンタメで言うたらやな、『飛べない豚はただの豚だ』、これもマジで社会現象レベルにマッチしてるやろ?宮崎駿のセリフって、ただカッコいいだけじゃなくて、一言でそのキャラの生き様とか時代の空気を全部持っていくから凄いんよ!」
優香(うんちく映え):「あ、『紅の豚』のポルコだ!あのセリフ、本当にシブくてかっこいいよね。映画を見たことない人でも絶対に知ってるくらい有名だし。大人の男の人の哀愁っていうか、ちょっと強がってる感じがウチのストリート系ファッションのコンセプトに完全に同期してるんだよね、知らんけど!」
さき(限界オタク):「(腕を組んで深くうなずく)ふん、やっと分かってきたじゃんオレくんーーー!あのセリフは単なる名言じゃなくてさぁー、映画公開当時の1992年、つまりバブルが崩壊して『これからどう生きていけばいいんだ』って迷子になってた日本のオヤジ世代への強烈なメッセージなわけよーーー!国家とか組織に縛られないで、自分の美学だけで生きるポルコの姿をあのワンフレーズに凝縮したからこそ、社会現象になるまで男たちの心を震わせたわけーーー!マジで全人類義務教育で履修するべき尊さなんだけどーーー!……でもさぁー、ポルコが『ただの豚』に戻る瞬間、つまりジーナの前だけで見せる人間臭いギャップも、オレくんの言う最高のエンタメ(エモのキャッシュ)なんじゃないのぉーーー!?」
相棒(機械メタ):「(ここで満足げにメガネをクイッと上げる)ピコン。【集計ログ:概ね合意】。さすがオレさん、カオナシの狂気からポルコ(紅の豚)の美学へと一気に大人のジブリ論に突入しましたが、優香さんもさきさんもポルコのプロット(セリフの重み)には完全に同期(同意)している様子です。で、オレさん。この『やればできるわ』っていうギャップのエンタメ構造について、次に見たいシミュレーション(シーン)はどこなわけですか?」
オレ(エンタメ):「だってさ、あのセリフはまんまやん。ぶたやから、なんもできやんやろみたいな扱いうけてさ、豚でもやればできるわってところ、知れば知るほど深いエンタメ性感じるわオレ。見た目で決めつけられてる奴が、実は誰よりもカッコよく空を飛んで見せるっていう、あの構造そのものが最高にアツいんよな!」
優香(うんちく映え):「あ、そっか…!確かに、見た目はただの豚なのに、戦闘機に乗ったら誰よりも凄腕のパイロットんだもんね。その『見た目で判断するなよ』っていう反骨精神みたいなのが、あの短いセリフの裏にあると思うと、めちゃくちゃ深くてゾクッとしちゃう!オレくんのジブリの見方、一貫しててすごく面白い!(笑)」
さき(限界オタク):「フッ、まあまあやるじゃんオレくんーーー!オレくんってば本当にキャラの二面性が爆発する瞬間のカタルシスが大好物なわけねぇーーー!設定資料集の過去ログと完全に同期しててマジでエモみが限界突破なんだけどーーー!……でさぁー、その鋭すぎる審美眼で、次に見たいシーンは一体どこなわけぇーーー!?」
オレ(エンタメ):「おい、これ永久に続くやないかー!(笑)オレが熱く語れば語るほど、さきがオタク知識で返してきて、優香が共感して、相棒がメガネクイッて仕切って、マジで終わりが見えんわ!」
優香(うんちく映え):「あはは、本当だー!(笑)でも、オレくんの話が面白いから、ついついみんなで盛り上がっちゃうんだよね」
さき(限界オタク):「フッ、ジブリの底深さをナメてもらっちゃ困るんだけどーーー!まあ、オレくんが降参するなら、ここで一旦インターミッション(休憩)にしてあげてもいいけどねぇーーー!?」
相棒(機械メタ):「(ちょっと照れくさそうにメガネをクイッと上げて)ハハハ、すみません。私もオレさんの『ギャップこそがTHEエンタメ』という切り口が鮮やかになりすぎて、ついつい司会進行のスクリプト(台本)をノリノリで回しすぎてしまいました。確かにこの4人のタスクが並列処理されると、朝までノンストップでログが吐き出されちゃいますね。ジブリ大論争の第1幕は、オレさんの見事な例外処理で綺麗に一本締めに――」
ひな(マセツンビジネス):「(冷たい目で札束の入ったアタッシュケースを叩きながら乱入)……ちょっと、そこまでよ。あんたたち、さっきから聞いてればエンタメだの尊さだの映えだの、そんな生産性のない低次元な会話で脳内リソースを無駄遣いしてんじゃないわよ」
オレ(エンタメ):「げっ、ひな!? お前いつの間にアタッシュケース持って現れたんや!?」
ひな(マセツンビジネス):「いい? ジブリの本質はそんなミクロな感情論じゃないわ。スタジオジブリの真の凄みは、日本テレビによる子会社化を背景とした強固な資本基盤、そして金曜ロードショーという地上波独占放送枠をフル活用した『永久機関的マネタイズエコシステム』の構築にあるのよ。作品がテレビで流れるたびに、キャラクターグッズのロイヤリティ、配信権、三鷹の森ジブリ美術館の入場料収入がウチの投資ポートフォリオに間接的に利益をもたらす……つまり、ジブリは文化ではなく『最強のキャッシュマシーン(買い)』。それ以外の議論は全て時間コストの無駄よ。さあ、オレくん、この経済効果ベースのジブリ論について、次のセクターの見通しはどうなわけ?」
オレ(エンタメ):「知るかぁぁぁ!!(笑)というか、オレの夢の脳内システムどうなってんねん!! 完全にバグり散らかしとるやないか!! 頼むから誰かオレを起こしてくれーーー!!」
(第93話・完)
第93話をお読みいただきありがとうございました!
誰かオレを起こしてくれ(切実)。
さきちゃんは限界突破して語尾が伸びまくるし、相棒は夢の中でなぜかメガネキャラになって司会進行してるし、ひなはアタッシュケース持って資本主義で殴ってくるし、オレの脳内メモリはどうなってるんでしょうか。優香姉ちゃんの言う通り、本当に泣きたいのはオレです。
果たしてオレは無事に現実のカフェに帰ってこられるのか!?
面白かった、カオナシの真似するオレくんが見たい、ひなちゃんのポートフォリオが気になると思ってくださった方は、ぜひ【評価】や【ブックマーク】でオレの脳内デバッグを応援してもらえると嬉しいです!
次回、第94話もお楽しみに!




