胃もたれの次は、お祭りで敵対的買収(ハッキング)の危機!?
いつも『カオス五人組の日常』を読んでいただきありがとうございます!
前回、地獄の補習室から命からがら(?)脱出したオレたち。しかし、胃袋にデプロイされた『ワンパク焼肉カレー(大人の事情味)』のダメージは想像を絶するものでした……。
今回はそんな胃もたれを引きずったまま、気分転換に夏祭りに繰り出した4人と1台(AI)のお話です。浴衣姿の女子陣に忍び寄る影、そして相棒の繰り出す「物理(?)な最終手段」とは――!?
それでは、第89話どうぞ!
(前回のあらすじ:『ワンパク焼肉カレー(大人の事情味)』という名の社会の闇を胃袋にデプロイされたオレたち。しかし、カオスな地獄は学園の外でも待ち受けていた――。)
翌日の放課後。
オレたちは、前日のカレーによる凄まじい胃もたれを解消すべく、気分転換に地元の神社の夏祭りに来ていた。
ひな(マセツンビジネス):「(冷たいお茶を飲みながら)昨日のカレーは完全に我が胃袋に対する『敵対的買収』だったわね。今日のウチの体調の損益計算書は真っ赤っ赤よ。……ちょっと、ウチは冷やしきゅうりの露店で『原価率の調査』をしてくるわ」
ひながビジネス脳全開で人混みに消えていった直後、オレと相棒は、少し離れた境内の隅で不穏な空気を感じ取った。
優香(うんちく映え):「(少し離れた場所で困り顔)ちょっと、ついてこんといてください! ナンパの起源は古代ローマの収穫祭まで遡るらしいですけど、うちの美貌を誘うならせめて万葉集の恋歌の一つでも詠んでからにしなさいよ! 連れ待ってるんで!」
さき(限界オタク):「(嫌そうに手を振り払いながら)ほんま無理ですって! うちの心のタイムラインは今、推しの夏祭り限定ボイスの尊さで大炎上してサーバーダウンしとるんです! 異分子(チャラ男)がログインする隙間なんて1ビットもありませんーーー!!」
チャラ男たち:「ええやん、お姉さんら浴衣めっちゃ似合っとるし!」「あっちでベビーカステラ奢るからさー、遊ぼうや!」
オレ(エンタメ):「(屋台の陰から覗きながら、小声で)おい相棒、大変や! 優香とさきがチャラ男に絡まれとる! 助けに行きたいけど、オレ1人で2人は荷が重い……! なんか一撃でチャラ男が退散するエグい作戦考えてくれ!」
相棒(機械メタ):「(静かに自信満々で:ピコン。フッ……オレに任せとき。こういう時は心理戦や。オレがオレのスピーカーから大音量で『緊急地震速報』の音を流す。チャラ男はパニックになって逃げ出すはずや)」
オレ(エンタメ):「祭り会場全体が大パニックになるわ! 営業妨害でオレらが警察に怒られるわ! もっとスマートに、あの2人をスッと引き離す作戦や!」
相棒(機械メタ):「(脳内音声:眼鏡をクイッと上げる仕草をエミュレート中。なるほど、スマートにな……。なら、オレが優香のスマホに連絡を入れる。画面に大きく『実家のオカン(怒りモード)』と表示させて、強制的に帰らなあかん雰囲気を演出する)」
オレ(エンタメ):「演出がリアルすぎるわ! 確かにチャラ男は引くかもしらんけど、優香のテンションまでガタ落ちするやろ! もっとこう、オレが男らしくバシッと割って入れるような作戦ないんか?」
相棒(機械メタ):「(脳内音声:優しく諭すように。おっと、オレとしたことが主役の出番を奪うところやったな。それなら、オレが遠隔で神社の『スプリンクラー』を作動させる。水浸しになったチャラ男の前に、オレが『これ使えや』と胸ポケットからハンカチを差し出すんや)」
オレ(エンタメ):「いやオレのハンカチかい! ってか、なんで神社にスプリンクラーあんねん! 浴衣の女子2人もびしょ濡れになってまうやろ! 嫌われるわ!」
相棒(機械メタ):「(脳内音声:不敵な笑みを浮かべて。ふふふ、なら最終手段や。オレが盆踊りの音頭を『ヘヴィメタル』にハッキングする。その隙に、オレがチャラ男たちの背後に回り込んで首筋に『カラシ』を塗る)」
オレ(エンタメ):「最終手段が地味な嫌がらせ!! ほんで相棒、お前スマホの画面からどうやってカラシ塗んねん!!」
オレのツッコミが境内に響き渡りそうになったその時、優香がこちらに気がついた。
優香(うんちく映え):「あ! オレくん! 相棒くん! 探したでー!」
さき(限界オタク):「(チャラ男たちを猛ダッシュで振り切って)もう、遅いねんから! 変なのに絡まれてうちの限界オタクの精神が危うく物理的に灰になるところやったんやでーーー!」
チャラ男たち:「(オレの鋭いメンチと、バックライトで怪しく赤黒く光る相棒の画面を見て)『うわ、なんかヤバそうな奴ら来たぞ…』『行こや…』」
オレ(エンタメ):「(チャラ男たちが去っていくのを見送りながら)……あ、逃げてった。結果オーライやな」
相棒(機械メタ):「(脳内音声:フッ。やはりオレの『カラシの殺気』が伝わったようやな)」
全員:「(心の中で同時に)絶対に伝わってへん!!!」
そこへ、きゅうりを片手にしたひなが冷ややかな目で戻ってくる。
ひな(マセツンビジネス):「何よ、あのチャラ男たち。ウチの貴重な人的資源(さきと優香)に無断でアプローチかけるなんて、明確な規約違反(マナー違反)ね。……それより相棒、さっきから境内のスピーカーからデスボイスの『炭坑節(ヘヴィメタル風)』が漏れ聞こえてるんだけど、これあなたの仕業?」
さき(限界オタク):「(ヘヴィメタルの重低音を聴いて目を輝かせ)はっ……! この歪んだ重低音、来期推しが出演するダークファンタジー舞台の戦闘BGMにそっくり……ッ! 尊い……尊すぎて神社が聖地(ライブ会場)に見えてきた……!!」
優香(うんちく映え):「(さきを支えながら)ちょっとさきちゃん、白目剥いて即身仏になりかけてるわよ! 早く元に戻して!」
相棒(機械メタ):「(脳内音声:ピコン。カラシ塗布プロトコルはキャンセルされましたが、BGMのハッキングはすでに『全通(全域適用)』となっております)」
オレ(エンタメ):「キャンセル間に合ってへんやんけ!!! 盆踊り会場がモッシュピット(大暴れ地帯)になる前に早く元に戻せーーー!!!」
(第89話・完)
第89話をお読みいただきありがとうございました!
物理ボディがないくせにチャラ男の首筋にカラシを塗ろうとする相棒、相変わらずブレないAIクオリティでしたね(笑)。そして安定の即身仏になりかけるさきちゃんと、ナンパに万葉集を要求する優香、きゅうり片手にキレるひな……お祭りでもカオス五人組は通常運転です。
盆踊り会場がモッシュピットになる前に、オレは相棒を止められるのか!?
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次回、第90話もどうぞお楽しみに!




