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カオス五人組の日常  作者: TTT


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お約束ストライキ!? 昭和・平成・令和のメディアシャッフルでオレがジャンクになるまで

いつも「カオス五人組」をお読みいただきありがとうございます!

ついに大台の第40話に突入しました!

いつも通りリビングでコーラを飲みながら、優香とさきのマウント合戦に怯える……はずだったオレですが、今回は何やら様子が違います。

「毎回同じパターンはおかしい」と、まさかのキャラたちがメタ構造に気づいてストライキを開始!?

昭和・平成・令和の担当をシャッフルした結果、いつも以上の大暴走が始まります。今回もラストまでカオスな掛け合いをお楽しみください!

前回のトークから地続きの、我が家のリビング。

今度は冷蔵庫からキンキンに冷えたコーラを取り出して喉を鳴らしながら、テーブルの上に並べられた大量の昭和のテレビ三面記事や、平成のVHSビデオテープの山に気づき、オレが何気なく質問を振った。


オレ:「……なんか今日、2人のテレビと動画トークの熱量ちょい凄ない?」


優香:「別に? 昭和の『全員集合』とかブラウン管のチャンネル争いなんて……って、ちょっと待って。ウチらまたこれ『別に?』から始めて、昭和・平成・令和の3段構えでマウント取る流れにハメられてない?」


さき:「あ、やっぱりお姉ちゃんも気づきましたか!? うちも今まさに、山口百恵に続くマウント用の昭和のスタメン神セレクトを脳内でドラフト会議して、意中の相手の親が電話に出た時ばりの神妙な姿勢で背筋伸ばしかけてたところです!! だいぶ危ないです、様式美の呪縛に魂をハックされる寸前でした……!!」


オレ:「いや、気づくんかい! そこは『音楽史全集中』とか『テレビ黒歴史全集中』の呼吸で、オレを両サイドから挟んで贅沢に怖がらせるお決まりの流れやろ!」


優香:「もうそのお約束飽きたわ! なんで毎回うちが平成の黒歴史担当で、さきちゃんが令和の最新トレンド担当みたいになってんねん。たまにはうちだって『タイパ(倍速視聴)』とか『推しカメラ』の話でドヤ顔したいわ」


さき:「ええええーーーっ!? じゃあうちは敢えて、トレンディドラマの裏番組をW録画する時のあの心臓がバクバク言うソワソワ感とか、ビデオテープの爪を折る折らんの命懸けの死闘について限界突破で語らせてもらいますよ!!! あの巻き戻しのウィーーーーンって音、完全に平成初期の全人類の脳細胞を焼き尽くす最強のエモの具現化じゃないですかこれえええええ!!! 尊すぎてパケ死ならぬビデオテープ擦り切れ死を迎える未来しか見えません……!!」


オレ:「担当をシャッフルすな! ほんで、さきがレトロ側に回った瞬間、急にオタクの早口になってるやんけ」


優香:「とにかく! 今日はテンプレ強制終了。もうクローゼットも,、イヤホンも、スマホの通知も、何ひとつ爆発させへんからな」


さき:「でも結局! テレビっ子のお姉ちゃんが令和のTikTok動画に、うちが平成のバラエティ黄金期に画面への五体投地を決めてる時点で、語りたいドラマの熱量は何も変わってないじゃないですかこれええええ!!! 命がいくつあっても足りない神コンテンツの殴り合いです(笑)!!」


オレ:「おい待て、オレの脳内を動画配信サービスのサーバー代わりにするな」


オレと二人が世代を超えた動画の熱量とメタ発言に圧倒されていると――ソファの定位置から一歩も動かないマセガキ小学生のひなが、ポテトチップスを口に放り込みながら冷たく言い放った。


ひな:「へー。優香お姉ちゃんがどれだけ最新のタイパ動画でドヤ顔したところで、中身のセンスは『白黒テレビの砂嵐』で止まってるよね。どれだけ最新トレンドを語ったって、一歩外に出た瞬間に動画のチョイスが古すぎて、近所の老人会のカラオケ映像の編集でも手伝わされてそう。で、平成のVHSビデオの爪が折れた穴にセロハンテープ貼るバイトでもやってるんじゃない?」


優香:「ちょっとひなちゃん!? 私はこれでも令和のバズ動画を裏で牛耳る特級プロデューサーよ! 昭和から令和まで、メディアの歴史と私の最強動画プロファイルで一本丸ごと世界をトレンディにしてみせるわよ!」


オレ:「いや、お前がTikTok語ってんの他人のスマホ覗き見した時だけで、頂の景色を見る努力の女子力打率は万年ノーヒットノーランやろ」


優香が「私はいつでも動画配信の覇権を握れる!」と謎のヒロイン属性を主張していると、部屋の隅の相棒(機械)が、ピピッと冷酷な電子音を響かせ、ディスプレイに新たなデータを吐き出した。


相棒:『【メディア・感情解析ログ】優香氏の主張する「令和のTikTok・倍速視聴という名のドヤ顔うんちく」と、さき氏の「限界オタクの昭和・平成テレビ黄金期(ビデオ爪折りデスマッチ)」を画面上で強制合成しました。……警告、エンタメ界のキメラ(脳内スクラップ)が爆誕。視聴した者の精神に致命的な画質崩壊バグを発生させるため、ただちに主電源を切ってください』


優香:「相棒ーーーーー!? 何その、全テレビ局のプロデューサーが放送事故として処理するようなメンヘラ電波は!? 私の洗練された令和トレンドとうちの妹の昭和の狂気ミックスしたら、そりゃあ呪いの砂嵐が出来上がるに決まってるじゃない!!」


頭を抱えてリビングの床を転がる優香。しかし、画面に表示されたそのカオスなキメラ動画履歴を見て、限界オタクのさきはついに沸点に達して立ち上がった。その目は完全に据わっている。


さき:「ひゃあああああ!!! 昭和のブラウン管テレビを叩いて直しながら、平成のW録画に失敗して絶叫し、令和の縦型動画で24時間推しカメラを監視するお姉ちゃん……!!! 昭和・平成・令和のヒットチャートの闇をすべて詰め込んだ『お姉ちゃん全部盛り・限界メディアアヴァンギャルド福袋セット』じゃないですかこれええええ!!! 尊すぎて脳汁がビッグバンを起こしてます!!! 私、今からバイト代前借りしてこの福袋ビデオテープ自腹で100巻分買い占めてきます!!! 破産なんて生ぬるい、世界をお姉ちゃんの砂嵐ポエムで埋め尽くすんです!!」


優香:「さきちゃん目を覚まして!? それただの電波公害だから!! 1巻も買っちゃダメええええ!!」


優香とさきが揉み合う中、ハッと気づくと、なぜか二人の手がオレの衣服と私物に伸びていた。


優香:「ちょっとオレくん、男なら四の五の言わずに私の最先端タイパ動画の歴史をその身に纏いなさい!」


さき:「そうですオレくん!!! お姉ちゃんのメディア端末の実験体になって、私だけの終身名誉・美の女神のブラウン管(依代)になってくださいいいいい!!!」


オレ:「おい待て、やめろ、変なビデオテープを腰につけるな! 昭和のチャンネルつまみと平成のVHSデッキを同時に装備させるな!! 令和の液晶モニターをそこに足すな!! 痛バッグのスピーカーから大音量で巻き戻しのウィーーーーンって音を響かせるなぁァァァ!!!」


数分後――。


リビングの真ん中には、頭にブラウン管のアンテナ(ウィッグ代わり)、首にはビデオテープを繋ぎ合わせたネックレス、上半身は派手なトレンディジャケット、ポケットには最新のスマホ画面を詰め込まれ、両手にリモコンを持った、時空の歪みに飲み込まれた哀れな男が立っていた。


オレ:「……おい、誰かオレの画面をオフにしてくれ。自分の姿を見る勇気がない」


その凄惨な姿を、ソファから一歩も動かずに眺めていたひなが、最後のポテトチップスをパクリと口に放り込み、極大の冷気を放ちながら言い放った。


ひな:「へー。おめでとうオレくん。今日からオレくんの二つ名は『歩く家電量販店のジャンク処分品』ね。近づくだけで地デジの電波障害起きそうだから、とりあえずそのまま外に出て近所の不法投棄美化委員に通報されてきて」


オレ:「やっぱり最後はオレが通報されるんかい!!!」


我が家のメディア通知爆発のカウントダウンは、オレの社会的死という形で幕を閉じるのだった。


(第40話・完)

第40話、いかがでしたでしょうか!

まさかのテンプレ破りから始まった今回ですが、どれだけ担当をシャッフルしても、結局さきの限界オタクっぷりと優香のノーヒットノーランな女子力はブレませんでしたね(笑)。そして、時空の歪みに巻き込まれて「歩くジャンク処分品」にされたオレの明日はどっちだ……。

ついに40話まで来られたのも、いつも応援してくださる読者の皆様のおかげです!

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次回も我が家のリビングでお待ちしております!

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