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カオス五人組の日常  作者: TTT


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35/106

顔面全集中の呼吸と、諭吉が溶ける一軍ポーチのスタメン争い

いつもお読みいただきありがとうございます!

前回のアニメ・オタクトークの熱量も冷めやらぬ我が家のリビングですが、今回はテーブルの上に広げられた「カラフルな謎のケース群」を巡って、さらなるカオスな戦いが勃発します。

うんちく映え姉ちゃんと限界オタク女子による、一歩も引けない「顔面課金プレゼンバトル」。オレの顔面と財布の運命やいかに……!?

今回もカオス五人組の全力の掛け合いをお楽しみください!


前回のトークから地続きの、我が家のリビング。

今度は冷蔵庫からキンキンに冷えたコーラを取り出して喉を鳴らしながら、テーブルの上に並べられた大量のカラフルなケースに気づき、オレが何気なく質問を振った。


オレ:「……なんか今日、化粧品プレゼンの熱量ちょい凄ない?」


優香:「別に? SNSのトレンドを支配する『バズりコスメ』の絶対的な魅力なんて、もうどこから語っても令和の美のバイブルとして完成されてるし」


さき:「ひゃあああああ!!! 何が『別に?』ですかお姉ちゃん!!! どうでもええ風を装ってる割に、SNSで話題の『儚げ純欲リップ』をバチバチに塗って、手元でだいぶ鏡の角度(いちばん顔面が映える奇跡の45度)を決めてるの尊すぎて無理なんですけど!? 完全に自分の可愛さを自覚してる確信犯の動きで心臓がバクバク言ってます……!!」


オレ:「いや、オレ挟まれてるやん。両サイドから『顔面全集中』の呼吸でプレゼンされるの、いちばん贅沢やけど怖いわ」


優香:「安心して。最高峰のデパコスという理想と、超優秀なプチプラという現実の落差に脳内処理が追いつかなくて大号泣するまでは、まだティッシュは渡してあげないから。たぶん」


さき:「ちょっとオレくん!!! その“たぶん”が出た時点で、もうお姉ちゃんのカバンからブランドロゴが擦り切れて消えかけてる『ガチ愛用・底見えアイシャドウ』という名の特級呪物が取り出されるカウントダウン始まってますからね!? 私たちの顔面を実験台にする準備万端すぎてだいぶ危ないです! 助けてください、もう底見えの窪みに吸い込まれて破産する未来しか見えません……!!(笑)」


オレ:「で、結局なんでそんなに盛り上がってんの」


優香:「あっちがさっき、韓国コスメのパケ買い(ビジュアル重視)の尊さに対して、先にめちゃくちゃ熱い実用性ガチレビュー(成分・崩れにくさ・発色の三拍子)を出してきたからでしょ」


さき:「熱いだけじゃないですよお姉ちゃん!! 涙袋を無から爆誕させる影ライナーと、唇の境界線を2ミリ偽装するオーバーラインの裏技が天才すぎて作画崩壊起こすレベルだって感動してただけです!! あのミリ単位の職人技はギュンギュン胸に刺さって命がいくつあっても足りない案件じゃないですか……!!」


オレ:「はい出た、メイクのビフォーアフターが神すぎる時の画面への五体投地」


優香:「せやから、まだ何も知らないド素人のオレくんがこの領域に足踏み入れると、一瞬で諭吉(一万円札)が溶かされてコスメ沼に引きずり込まれて破産者が増えるのよ」


さき:「でもまぁ!!! オレくんみたいな完全ノーメイクでピュアなすっぴん人間が目の前に転がってると、逆に1から『一軍ポーチ』の過酷なスタメン争いという名のドラマを熱弁しやすいっていうメリットもあるんですけどねええええ!!」


オレ:「おい待て、オレの顔面をスタメン争いのグラウンドにするな」


オレと二人が顔面課金の熱量に圧倒されていると――ソファの定位置から一歩も動かないマセガキ小学生のひなが、ポテトチップスを口に放り込みながら冷たく言い放った。


ひな:「へー。でも優香お姉ちゃんがどれだけ『儚げ純欲リップ』で角度決めたところで、そもそも一般人に毛が生えたレベルの『ビフォー』から抜け出せてないよね。どれだけオーバーラインで唇偽装したって、一歩外に出た瞬間にただの『口のまわりケチャップべったり不審者』として自動検知されて、近所の美化委員の小学生に秒で通報されてそう。で、公園の砂場で泣きながらスルメ齧ってるでしょ」


優香:「ちょっとひなちゃん!? 私はこれでもバズの特級クラスよ! 涙袋の影くらい、トレンドの力で一本丸ごと映えさせてみせるわよ!」


オレ:「いや、お前が涙袋作ってんのクマが酷くて寝不足の時だけで、頂の景色を見る努力の女子力打率は万年ノーヒットノーランやろ」


優香が「私はいつでもポーチのセンターを張れる!」と謎のヒロイン属性を主張していると、部屋の隅の相棒(機械)が、ピピッと冷酷な電子音を響かせ、ディスプレイに無慈悲なシミュレーション結果を吐き出した。


相棒:『【能力測定ログ】現在の我が家の美容センスおよび財政状況を基に算出した、コスメ沼適正シミュレーションです。

優香氏:女子力・財力ともに「ゼロ」。にわか知識による「ポンコツの呼吸・一の型:知ったかぶり」を連発するため、一軍デパコスカウンターのBA(ビューティーアドバイザー)に「お肌の水分量が疲れてるから」と秒でスルーされます。

オレ氏:草食系を通り越してただの洗顔料以下。

ひな氏:合理主義の化身。10年後、デパコス大手のブランド利権とプチプラの流通網を裏から買収し、世界の顔面経済をコントロールする予測。

よって、このリビングの純血種における未来の最強美女就任率は0%です』


優香:「相棒ーーーーー!? 何その、全美容部員と全プチプラ愛好家を敵に回したような絶望のデスデータは!? 未来の可能性を機械の独断でシャットダウンしないで!!」


頭を抱えてリビングの床を転がる優香。しかし、この混沌の空間には、まだあの「最大の爆弾」が残っていた。


部屋の隅で、ノートに『純欲リップ・底見え・天才裏技・優香お姉ちゃん』と謎のワードを狂ったように書き殴っていた限界オタクのさきが、ついに沸点に達して立ち上がった。その目は完全に据わっている。


さき:「ひゃあああああ!!! 自分が最強の美女だと錯覚して鏡の角度を弄ぶポンコツなお姉ちゃんも!!! ケチャップ不審者として通報されて砂場でスルメ齧るお姉ちゃんも!!! 全てが尊すぎて私の網膜に神作画として永久保存されました!! もういっそのこと、お姉ちゃんという存在自体をコスメの概念にしましょう!!」


優香:「さきちゃん!? 急にSFみたいな壮大な話になってるけど、私まだ生身の人間として生きてたいんだけど!?」


さき:「私!!! 今からお姉ちゃんの顔面を構成する全細胞を『新作プチプラコスメ』として特許申請してきます!!! 商品名は『お姉ちゃんのポンコツ脳汁ラメ・一の型』です!!! これを全人類のまぶたに強制発色させて、世界中の涙袋をお姉ちゃん成分でパンパンのパケ死に追い込みます!!! コスメ購入なんて生ぬるい、世界をお姉ちゃん色に染め上げる『私の愛の永久オーバーライン』で、地球の作画を丸ごと買い取るんです!! さあお姉ちゃん、今すぐその一軍ポーチのスタメンたちと融合して、私だけの『終身名誉・美の女神』として私の網膜に永久ログインしてくださいいいいい!!」


優香:「だから愛のプレゼンの成分が強すぎて肌荒れ起こすわ!!! 特許申請どころか、完全に私の尊厳がコスメの成分表示に幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽幽外。


――と、さきの新手の顔面課金テロ(狂気)によって、強制的にサーバーダウンさせられるのだった。


(第35話完)

第35話をお読みいただきありがとうございました!

今回はまさかのコスメ回(新オチ仕様)でお届けしました。

さきちゃんの暴走がインフレしすぎて、ついに「数十兆円の予算」の枠すら飛び越えて概念化の領域に突入してしまいました。優香お姉ちゃんの尊厳(とお肌)の無事を祈るばかりです(笑)。

「今回もカオスでおもしろかった!」「ひなちゃんの毒舌が相変わらずキレキレ!」と思ってくださった方は、ぜひブックマーク登録や、下の【☆☆☆☆☆】からポイント評価で応援していただけると、執筆のガソリンになります!

次回の第36話も、さらなる我が家の迷走劇をお届けします。どうぞお楽しみに!

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