領域展開する前にパケ死する、我が家のカオスなアニメプレゼンバトル
いつも「カオス五人組」をお読みいただきありがとうございます!
第34話は、我が家のリビングで突如勃発したアニメトレンド論争。未視聴のオレをめぐり、映えとうんちくでマウントを取りたい姉・優香と、尊さで脳髄がバグった限界オタクのさきが、左右から全力のプレゼンを叩き込んできます。お楽しみください!
オレ:「……なんか今日、アニメのプレゼンの熱量ちょい凄ない?」
前回の会社トークから地続きの、我が家のリビング。
今度は冷蔵庫からキンキンに冷えたコーラを取り出して喉を鳴らしながら、オレが何気なく振った質問。これが、我が姉・優香の脳内ポンコツ量子コンピューター(本日何回目かもわからない暴走状態)に再びガソリンを注ぐ結果となった。
優香:「アニメと言ったら『呪術廻戦』よ! もう領域展開のシーンなんて、全員もれなく脳汁ブワーって出て五条悟の顔面で世界がひっくり返る時代でしょ!」
さき:「ちょっと待ってください……! 五条先生の顔面は人類の至宝なのでひっくり返るどころか宇宙がビッグバンを起こすレベルなんですけど、ダークファンタジーの次は王道スポーツの『ハイキュー!!』ですよ! バレーボールに青春の全部を賭けた泥泥の泥臭い努力と、ネットを挟んだ熱い友情がダイレクトにギュンギュン胸に刺さって命がいくつあっても足りない時代じゃないですか……!!」
オレ:「いや、右から特級呪術師が攻めてきて、左から烏野高校がスパイク打ってくるやん! オレの脳内の処理速度、完全にバグり散らかしてるねんけど!」
優香:「いいから『呪術』観て! 呪いの呪術戦がスタイリッシュすぎて、観終わる頃にはオレくんも絶対『自分が最強だ』って錯覚して、無駄に指パッチンするようになるから!」
さき:「そんな呪いの王に指パッチンしてる暇があったら、一分一秒でも早く『ハイキュー!!』の試合を観てください! 画面に映るコートの全員が主人公すぎて、ただの『ゴミ捨て場の決戦』という名の神竜の戦いで、水分が全部枯渇して一リットルは涙を流すことになりますから……!! 助けてください、もう思い出しただけで尊さが天井突き破ってます……!!」
オレ:「どっちも感情の振れ幅が極端すぎるわ! オレ、右目で領域展開して、左目でレシーブせなあかんのか!」
優香:「なるほど〜。でも最初の頃は『アニメは子供のもの』って感じだったのに、呪術は『大人の厨二病を刺激する』、ハイキューは『全世代のバイブル』って、もう完全に日本の宝に変わってきたよね」
オレ:「ほんまそれ! どっちのアニメも熱量が異次元すぎて、ついていく前にオレの情緒が先に最終回を迎えるわ!」
オレと優香が「日本のアニメの進化ってすごすぎるわ……」としみじみエンタメの熱量に浸っていると――ソファの定位置から一歩も動かないマセガキ小学生のひなが、ポテトチップスを口に放り込みながら冷たく言い放った。
ひな:「へー。でも優香お姉ちゃんがどれだけ『自分が最強』って錯覚したところで、そもそも一般人に毛が生えたレベルの『窓』にすらなれてないよね。呪術高専の結界を潜ろうとした瞬間、不審者として自動検知されて伊地知さんに秒で通報されてそう。で、体育館の裏で泣きながらスルメ齧ってるでしょ」
優香:「ちょっとひなちゃん!? 私はこれでもブームの特級クラスよ! 呪いの王の指くらい、トレンドの力で一本丸ごと映えさせてみせるわよ!」
オレ:「いや、お前が指パッチンしてんのタクシー呼ぶ時だけで、日向みたいな頂の景色を見る努力の打率は万年ノーヒットノーランやろ」
優香が「私はいつでも作品のセンターを張れる!」と謎のヒロイン属性を主張していると、部屋の隅の相棒(機械)が、ピピッと冷酷な電子音を響かせ、ディスプレイに無慈悲なシミュレーション結果を吐き出した。
相棒:『【能力測定ログ】現在の我が家の戦闘センスおよび身体能力を基に算出した、ジャンプ作品適正シミュレーションです。
優香氏:呪力・身体能力ともに「ゼロ」。領域展開を叫ぶ声のボリュームだけが特級呪物であり、にわか知識による「ポンコツの呼吸・一の型:知ったかぶり」を連発するため、五条悟に「弱い奴に構うのは疲れるからさ」と秒でスルーされます。
オレ氏:草食系を通り越してただのボール拾い以下。
ひな氏:合理主義の化身。10年後、呪術界の御三家とバレー協会の商業利権を裏から買収し、日本のエンタメ経済をコントロールする予測。
よって、このリビングの純血種における未来の最強就任率は0%です』
優香:「相棒ーーーーー!? 何その、全特級呪術師と全高校球児を敵に回したような絶望のデスデータは!? 未来の可能性を機械の独断でシャットダウンしないで!!」
頭を抱えてリビングの床を転がる優香. しかし、この混沌の空間には、まだあの「最大の爆弾」が残っていた。
部屋の隅で、ノートに『領域展開・ゴミ捨て場の決戦・神作画・優香お姉ちゃん』と謎のワードを狂ったように書き殴っていた限界オタクのさきが、ついに沸点に達して立ち上がった。その目は完全に据わっている。
さき:「ひゃあああああ!!! 自分が最強だと錯覚して、手元で一生懸命に指パッチンを繰り返すポンコツな優香お姉ちゃんも!!! ゴミ捨て場の決戦を観る前からカバンに特大バスタオルを仕込んで一リットル泣く準備万端なお姉ちゃんも!!! アニメの作画(MAPPA・Production I.G)が神すぎて、脳内処理のキャパを超えて『脳汁ブワー(電子音声)』ってバグる罪深い優香お姉ちゃんも、全部尊すぎて作画フレームごと買い取りたいです!!!!」
優香:「さきちゃん!? 私、さっきから妄想の中で勝手に脳内処理バグらされてるし、最初から水分枯渇する前提で話進めないで!?」
さき:「私!!! 今からこの作品の『最高峰の制作スタジオ』になります!!! 総投資額数十兆円の予算を引っ張ってきて、お姉ちゃん専用の超ハイクオリティ領域展開・兼・ゴミ捨て場シアターを開発して、お姉ちゃんを『永久専属視聴者・兼・作画の女神』として終身ログインさせます!!! そして毎日が24時間、ログアウト不可能な超高画質・無限鑑賞生活!!! もちろんシアターのアクセス権は私とお姉ちゃんの二人だけ!!! チケット購入なんて生ぬるい、私の『愛の無限プレゼン』で、お姉ちゃんの脳内データ容量を私の愛(総作画枚数)でパンパンのパケ死に追い込んであげますからねええええ!!」
優香:「だから愛のプレゼンの通信速度が5Gを置き去りにして光の速さ並みに強すぎるってば!!! 映画のスクリーンどころか、完全に私の魂がデジタル監禁罪レベルで映画の世界に幽閉されてるから!!!」
今日も今日とて、我が家のアニメプレゼントークは、さきの超サイバーな独裁仮想空間理念(狂気)によって、強制的にサーバーダウンさせられるのだった。
(第34話完)
領域展開する前に、さきちゃんの狂気でパケ死してしまった我が家でした(笑)。
次回はどんなカオスがリビングを襲うのか!?
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