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カオス五人組の日常  作者: TTT


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カオス五人組のジェネレーションギャップ放談 〜昭和の拳、平成の胃薬、令和のコンプライアンス〜

いつも『カオス五人組』をお読みいただき、本当にありがとうございます!

前回、優香お姉ちゃんの甘酸っぱい(?)黒歴史を盛大にサルベージした我が家ですが、恋バナの次は「学校の先生」をテーマに大激論が勃発しました。

昭和・平成・令和と、時代を生き抜く先生たちの戦闘スタイルの違いに、今回も我が家のポンコツ量子コンピューター(姉)が全力でバグり散らかします。

ラストのさきちゃんの暴走まで、どうぞ一気にお楽しみください!


オレ:「なぁ優香、昭和の学校の先生ってどんなイメージある?」


前回の恋バナの余韻も冷めやらぬリビング。紅茶をズズッとすすりながら、オレが何気なく振った第二弾の質問。これが、我が姉・優香の脳内ポンコツ量子コンピューター(本日二回目の起動)に再び火をつけてしまった。


優香:「昭和? 昭和の先生なんて、そんなの『物理攻撃の鬼』に決まっているじゃないですか!」

ガタッと椅子を鳴らして立ち上がり、優香の独演会(第31回目)が早くも開幕する。手にはなぜか、指示棒の代わりにポテトチップスの袋を持っている。


優香:「想像してください! 出席簿の角で頭をゴツンとされるのは日常茶飯事。授業中に居眠りをしようものなら、音速で飛んでくるチョークの弾道がプロのスナイパーレベル! 挙句の果てには、廊下に水の入ったバケツを持たされて立たされるという、現代なら一発でニュースになる公開処刑が合法だった時代ですよ!? 『愛の鞭』という魔法の言葉さえ唱えれば、あらゆる物理制裁が許された暗黒のサバイバル時代、それが昭和の学校です!」


オレ:「熱量がやっぱりすげえな。でも確かに、昔の先生ってなんか妙な威圧感と、絶対に逆らえないボスキャラ感があったって言うもんな」


優香が「そう、まさに拳で語る時代!」と鼻息を荒くしていると、ソファでスマホをいじっていたマセガキ小学生のひなが、画面から目を離さずに冷ややかに言い放った。


ひな:「へー、昭和の先生って野蛮だったんだね。優香お姉ちゃんがその時代にいたら、毎日チョークのハチの巣にされて、廊下でバケツの水をひっくり返して泣いてそう。で、平成は?」


優香:「平成はね……『友達親子ならぬ、友達先生』の時代です!」


優香は一転して、少し親しみやすそうな(しかしどこか哀愁を帯びた)表情を浮かべた。


優香:「ゆとり教育の波が押し寄せ、学校全体に『学級崩壊』の危機が忍び寄る時代! 先生たちは生徒に舐められないよう、必死に当時のJ-POPや流行りのバラエティ番組の話題を勉強して、生徒の輪に必死に入ろうとしていたのです! 生徒からタメ口で話しかけられることを『距離が近いアットホームな関係』と言い張り、裏では胃薬を飲んでいる……そんな涙ぐましい努力の時代だったのですよ!」 


オレ:「あー、確かに若い先生とか、必死にオレたちの流行りに合わせてくれようとしてたわ。たまに空回りして、クラスの女子から陰で『キツい』って言われてて可哀想やったな……」


オレたちが平成の先生たちの背中に哀愁を感じて深く頷いていると、部屋の隅の相棒(機械)が、無慈悲なシステム音と共にログを吐き出した。


相棒:『【ログ解析】優香氏の高校時代の担任教師の裏アカウントを発見。「今日、宮本(優香)が授業中に“平成ジャンプ!”とか言って机から飛び降りて保健室に運ばれた。頼むから普通に授業を受けさせてくれ、俺のメンタルはもう限界だ”との記述あり。先生の機嫌を取るどころか、純粋に先生の精神を破壊していたのはどこのどなたでしょうか』


優香:「ちょっと相棒ーーー!? 恩師の悲痛な叫びをネットの海からサルベージしてくるのやめて!? あれは若気の至りっていうか、ただのノリだから!!」


頭を抱えてのたうち回る優香を完全スルーして、ひながさらに追撃の手を緩めない。


ひな:「お姉ちゃん、学生時代から先生の天敵じゃん。じゃあ、今の令和はどうなの? 私たちの時代は?」


オレ:「令和はな……『完全なるビジネス・コンプライアンス』時代や!」


ここでオレがドヤ顔で引き継ぐ。


オレ:「今の令和の先生は、ある意味一番のサバイバルやで。1分でも定時を過ぎたら即退勤! 部活動の指導もガイドラインガチガチ! 1ミリでも言い方や言葉選びを間違えたら、次の日には即・保護者から『うちの子の尊厳を傷つけた』ってクレームの電話が鳴り響く。教育委員会という名の最高裁判所を常に意識しながら、一歩も踏み外せない氷の上の戦いをしてるんや」


優香:「なるほどね〜。昭和の先生は『拳で語る』、平成は『機嫌を取る』、令和は『法律を守る』に変わってきたよね」


オレ:「ほんまそれ! 時代で先生のメンタルの鍛え方まで変わるんやな〜」


オレと優香が「今の先生は本当に大変や……」としみじみ学校教育の未来について憂いていると――それまで部屋の隅で、ノートに何かを猛烈な勢いで書き殴りながらハァハァと荒い息を吐いていた限界オタクのさきが、ついに限界を迎えて机を両手で叩き割らんばかりに立ち上がった。


さき:「ひゃあああああ!!! 昭和の熱血教師に廊下に立たされて泣きべそかいてるセーラー服の優香お姉ちゃんも!!! 平成の若い先生に『先生、この曲知らないの〜?』ってちょっと生意気に絡んでメンタル削ってるギャル風味なお姉ちゃんも!!! 令和の超ホワイト規律な学校で、コンプライアンスの隙を突いて先生を誘惑しちゃう不届きなお姉ちゃんも、全部尊すぎて無理!!!! 時代なんて関係ない、優香お姉ちゃんが教育そのものです!!!」


優香:「さきちゃん!? 令和の先生は誘惑してないし、そもそも私をどんな時代に送ってもろくなことになってないじゃないの!?」


さき:「私!!! 今すぐ教員免許取ってきます!!! そして私が校長になって、校則を第一条から第百条まで全部『優香お姉ちゃんを愛でること』に書き換えて、お姉ちゃんだけの最強の学園(パラダイス)を建国します!!! お姉ちゃん、私と今すぐ全寮制の愛の園へ入学しましょう!!!」


優香:「だから愛が重いってば!!! 令和のコンプライアンスどころか、私の人権がさきちゃんの独自の法律で完全に剥奪されてるから!!!」


今日も今日とて、我が家のジェネレーションギャップ学校トークは、さきの教育理念(狂気)によって、強制的に学級崩壊させられるのだった。


(第31話完)

第31話をお読みいただき、ありがとうございました!

昭和のバケツ、平成のJ-POP、令和の定時退勤……。皆さんの学生時代はどのタイプだったでしょうか? ちなみに作者は、ガラケーを天に掲げて電波を探していた側の人間です。

さきちゃんが建国しようとしている「優香お姉ちゃん学園」、ちょっと見てみたい気もしますが、間違いなく1日でディストピアになりそうですね(笑)。

「今回もカオスで面白かった!」「さきちゃんの愛が重すぎる!」と思ってくださった方は、ページ下部の【☆☆☆☆☆】からポイント評価や、ブックマーク登録をしていただけると、相棒のログ解析の精度(と作者の執筆モチベーション)が跳ね上がります!

それでは、次回の第32話もお楽しみに!


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