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カオス五人組の日常  作者: TTT


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30/106

昭和の家電はデスゲーム、平成のメールは神頼み、令和の恋は空中戦の話

いつも『カオス五人組』をお読みいただき、本当にありがとうございます!

おかげさまで、ついに本作も大台の第30話に突入いたしました! 拍手!

ここまで連載を続けられたのも、ひとえにブックマークや評価、そして温かい感想をくださる読者の皆様のおかげです。

30話目も相変わらず我が家のIQは地盤沈下気味ですが、お気軽に楽しんでいってください!

オレ:「なぁ優香、昭和のデートの誘い方ってどんなんやったと思う?」

リビングのソファでゴロゴロしながら、オレが何気なく振った一言。これが我が姉・優香の脳内ポンコツ量子コンピューターに火をつけてしまった。


優香:「昭和? 昭和の恋愛なんて、そんなの『家電(いえでん)チャレンジ』という名のデスゲームに決まってるじゃないですか!」

伊達メガネをクイッと上げ、優香の独演会(第30回目)が早くも開幕する。


優香:「想像してください。携帯もLINEもない時代、好きなあの子の声を聴くためには、まずラスボスである『相手の父親』という名の巨大な壁を突破しなければならなかったのです! 呼び出し音が鳴る段階で心臓は爆発寸前、お父さんが出た瞬間に『あ、間違えました!』と受話器を叩きつける恐怖! 夜10時以降の入電は即・マナー違反として家系図から抹殺されるリスク! これほどの精神的プレッシャーを乗り越えてデートに誘っていた昭和の先輩方、完全に戦士(ソルジャー)やと思いませんか!?」


オレ:「熱量がすげえな。でも確かに、家族全員に会話を聞かれるリスクも含めて、ハードルはエベレスト級やったらしいな」


優香:「そう! 昭和の恋とは、まさに『死ぬ気でダイヤルを回す命がけの白兵戦』なのです!」


優香が拳を握りしめて熱弁していると、ポテトチップスを齧りながら、マセガキ小学生のひなが冷ややかな視線を送ってきた。


ひな:「へー、昭和の人って大変だったんだね。お父さんが出ただけでパニックになるとか、優香お姉ちゃんだったら恐怖で受話器ごと家出しそう。で、平成は?」


優香:「平成は……そう、ガラケー文化の黄金期! 『センター問い合わせ』という名の神頼みの時代です!」


優香の目が、過去の甘酸っぱい(あるいは痛い)記憶でキラキラと輝き出す。


優香:「メールを送ってから3分。返信が来ない。その3分が、まるで精神と時の部屋のように長く感じられるのです。そこで我々平成の迷える子羊たちが何をしたか!? ガラケーの『センター問い合わせ』ボタンを親の仇のように連打し、電波の神様に『頼むからメールを引っ張ってきてくれ!』と祈祷を捧げるのです! 画面に『新着メールあり』と出た瞬間の脳汁の出方は異常! 好きな人と『Re:Re:Re:』で件名が埋め尽くされるのが、当時の最高ステータスだったのですよ!」


オレ:「あー、ボタン連打したわ。電波を少しでも拾うために、ガラケー持った手を天に高く突き上げたりな」


オレたちが深く頷いていると、部屋の隅の相棒(機械)が冷酷なログを吐き出した。


相棒:『【ログ解析】優香氏の平成後期の通信履歴をサルベージ。当時の意中の相手からの返信率は5%未満。「センター問い合わせ」のボタン連打回数は累計4万回を超えていますが、その9割は電波の不具合ではなく、単なる相手からの「未読スルー」および「着信拒否」です。神頼みの前にご自身の好感度を問い合わせてください』


優香:「ちょっと相棒ーーー!? 過去の黒歴史を最高画質でプレイバックするのやめてもらえる!? 胸が痛い、胸が痛いから!!」


のたうち回る優香を無視して、ひながさらに追撃する。


ひな:「お姉ちゃん、センターに嫌われすぎてて草。じゃあ、今の令和はどうなの? 私たちの時代は?」


優香:「令和はね……『DMでシームレスに誘う』ステルス空中戦の時代ですよ!」


優香が涙を拭いて、ドヤ顔で立ち上がる。


優香:「今の若い子は、LINEすら重いと感じるのです! まずはインスタのストーリーに『ここ行きたいな〜』とか『このカフェ美味しそう』と、あえて独り言のように呟いて網を張る。そこに相手が『ここ知ってる!』とか『今度行こうよ』とリアクションしてくるのを、じっと待つ! 傷つかないためのセーフティネットを張り巡らせた、高度な情報戦! これが令和の恋なのです!」


オレ:「なるほどな〜。昭和は『死ぬ気でダイヤルを回す』、平成は『センターに祈る』、令和は『網を張って待つ』か。時代で恋のハードルの超え方まで変わるんやな〜」


オレが感心していると、それまで一言も発さずにハァハァと荒い息を吐いていた限界オタクのさきが、ついに限界を迎えて机を叩いた。


さき:「ひゃあああああ!!! 昭和の家電に怯える純情な優香お姉ちゃんも、平成のセンター問い合わせで一喜一憂するお姉ちゃんも、令和のインスタで網を張って獲物を待つ肉食なお姉ちゃんも、全部尊すぎて無理!!!! 時代なんて関係ない!!! 私ならお姉ちゃんから電話が来たら0.0001秒で出るし、メールは光速でRe:10000まで返すし、ストーリーに何か上がったら秒でその場所を特定して全額奢ります!!! お姉ちゃん、私と今すぐ大正時代あたりに駆け落ちしましょう!!!」


優香:「さきちゃん!? 時代をさらに逆行しないで! あと重い! 令和の空中戦どころか地殻変動レベルで愛が重いから!!」


今日も今日とて、我が家のジェネレーションギャップ恋バナは、さきの狂気によって強制終了させられるのだった。


(第30話完)


第30話をお読みいただきありがとうございました!

皆様は「昭和」「平成」「令和」、どの時代の連絡手段に一番馴染みがありますか?(あるいは、どのエピソードに一番共感しましたか?笑)

もし「懐かしい!」「センター問い合わせやったわ!」などなど思っていただけましたら、画面下部からブックマーク登録や、広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】に評価していただけると、執筆の励みになります!

感想もお気軽に待ってます! それでは、次回の第31話でお会いしましょう!

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