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18話 白の図書館


それは……何気なく、仕事を果たすためにある教室を訪れた時のこと。


「失礼します、生徒会で…す?えっ」


「今のうちだお前ら!生徒会役員が来る前に……あぁ!どなたか存じませんがどいてくだされ────」


バシャァァァンという、激しい音ともに何かが私にぶっかけられたのだった。



 * * *



「また実験クラブの奴らか……散々言って聞かせてんだがな」


「うー……はい」


シャワーを浴び、着替えてきて仕切り直し。全くもって酷いものだ。

まさかドアを開けた途端に、生きたスライムを全身に浴びることになるとは。


後にも先にもこれが最後であると願いたいね。


「あいつらは予算削減させとくか……手伝ってもらっておいて悪かったな。ルナ」


「いえ!……ただ、私は力になれてますかね?」


「人手ってだけでも有難いもんだ」


一瞬遠回しに足手まといって言われてる気もしたが、この先輩がそんなことを言うわけがない。信じて頑張るのみだ。


「次行くのは魔物研究クラブ……なんだが、やめとくか?」


「……えっと、やたらと嫌な予感がするのでいいですかね」


この学園にまともなクラブはあるんだろうか。気になるが今日の私はツイてないみたいだし、辞めておくのが懸命だ。


「まだ2日目だしな。今日は寮に戻って休むといい」


「ありがとうございます、フェイ先輩」


リゼ先輩もだったけど、フェイ先輩も優しいなぁ……


あ、そうだ。久しぶりに時間出来たし、図書室行こうかな。



 * * *



生徒会に入ってぶりだから、1週間ぶり。

私は懐かしさを覚える図書室へと足を踏み入った。


「学園祭の期間は物置に使うんだった…」


辺りに散らばる資材。机が端に寄せられてるから本を読むことは出来ないようだ。


「何冊か借りて、寮で……ん?」


今、光った?大きい本棚の合間で……って、まさか!


「何やってんのさ会長さんは!」


光の元へ行くと、想像通り禁書庫への扉が開いていた。



……



階段を降り、上下左右問わずに白い廊下を進む。


相も変わらず、ここを作った人はどうかしている。今にも気が狂いそうだった。


「今はヨルも居ないし……余計にやばいかも」


早く会長が見つかればいいんだけど。


1歩、また一歩と足を早めていく。さっき背中が見えていたというのにいつの間に見えないところまで消えたんだろうか。


というかここ、禁書庫って言われてる割に書庫って感じしなくない?


「そもそも本が無い気がするし────────あっ?」


行き止まりだし、曲がり角だ。遂にこの真っ直ぐな道が終わったらしい。

私は勢いよく方向転換して……


「えっなっ……はい?」


その先に見えるものを見て素っ頓狂な声を漏らすのだった。



 * * *



ちゃんと書庫だったのだと、ようやく実感した。

いや、これは書庫どころか……巨大図書館、とでも言うやつじゃないか?


まず目に入ったのは2階に別れて配置されている大量の本棚。しかも、その一つ一つが私の身長を優に超えているぐらいデカイのだ。


これだけでは無い。

本棚から一つ、本を手に取る。するとあら不思議。どういう原理か本の表紙の色が白く染まっていく。


……待ってこれに関してはほんとに何?意味分かんないんだけど。


中身は特に変わったところは無さそう。この空間自体に何かあると見ていいだろう。


「物は試し。時間もあるんだし……ちょっと読んでみよっ」


どこか読める場所は無いか、本棚の合間を縫って奥へと進んでいく。

あっ今のもちょっとタイトル気になる。これも…これ、も……


「あだっ」


「む?」


何か固くもあり少し暖かい物にぶつかった。というか今声が……


顔を見上げ、ようやく目が合う。


「会長?」


「なんだ、ルナだったか…」


その顔は少し驚きが浮かんでいた。

いつもクール気取ってる感じだったから意外だね?


「えっと……久しぶり、ですね?」


「ここじゃ畏まる必要はない」


「そっか……そうだね」


仮に年上だとしてもタメでいこう。理由はなにかとムカつくから。


「それで、会長さんはここで何を?一応今は学園祭の準備期間なわけですが」


「……俺のやることは済ませている。いつもの、調べ事だ」


「へぇ……こんなに良さげなとこを独り占めに?」


正直羨ましい。秘密の隠れ家っていうのもそうだし、退屈しなさそう。


「今日は暇なのか?」


「お休み貰ったの。スライム浴びせられたからね」


「……?まぁいい。手が空いてるなら、手伝ってくれないか?」


そんなことを言いながら、レインは歩き出した。

着いてこいということだろうか。私も後に続く。


数分程歩いた所で、それに辿り着いた。


「何これでっかぁ…」


「到底独りじゃ使い切れそうにないからな。手を借りるぞ」


とてつもなく巨大なテーブル。そして、大量に、乱雑にばら撒かれた本の数々が。








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