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13話 生徒会へようこそ


クラス中の視線が、全く違ったものに変わっている。


気づかないわけが無い。明らかに、「なんであいつが…?」みたいな声も聞こえる気がするし…


「せめて立候補制ならなぁ…」


この学園、どうやら会長が生徒会のメンバーを指定するらしい。そのため生徒会の面々は何かと顔が知れている。


最も、あの会長はあまり矢面に立たないようだが。


「ルナ、おはよう」


「あ、セイル…昨日ぶり」


「今朝の広報を見たんだけどさ」


案の定、生徒会候補生であるセイルも例の内容について私に問うのだろう。


なんて言おう…セイルは生徒会に入るべく今は言ってしまえば雑用として働いている。私はそれを飛ばして生徒会役員だ。嫌な顔してたら…やだな。


顔が見れなかった。私は俯いたまま、セイルの言葉を待つ。


やがて何かを察したのか、スっと隣に座ってからセイルは口を開いた。


「生徒会、になったんだよね?ルナ」


「…………うん」


「っ、すごいじゃないか!ルナ!」


「えっ」


思わぬ言葉に素っ頓狂な声が漏れる。


「あの会長に認められたなんて…僕なんか話も聞いて貰えなかったのに」


「へ、へぇ…」


その後もいかにあの会長が流暢に語るセイル。

最年少にして『勇者』として認められ様々な実績を果たしただの、教師よりも強いだのどれも本当か疑わしいものばかり。


なんだろう、思っていたよりも反応が悪くないから安心してるんだけど……


セイル、あの会長に憧れてるんだね?友達として少し評価を改める必要があるのかも。…でも。


「それでそれで──────────」


「よかった…」


1度開いた口は止まることがなく、私の呟きは彼の耳には届かなかった。



 * * *



放課後、私とセイルは共に生徒会室へ向かった。

今日は改めてメンバーとの顔合わせ、らしい。


「待っていたよ、ルナ。話は会長から聞いているよ」


両開きの扉を開ければ出迎えたのは副会長のシオン。

中を除けば皆、既に席に着いている。


私達、すぐに教室出たはずなんだけど…早くない?


「さぁさぁ、君達も座って。会長はせっかちだからね」


背中を押され、空いている席に座る。

私とセイル、もう1人女の子が右手側へ。

そして左手側へシオンと明るそうな男の人と、いかにも激務疲れしていそうな顔の女の人。


両方とも先輩っぽい…?


「全員、揃ったな」


最後に…上座に座っている、レイン。


彼の言葉で始まる。


「会長、レイン・オブザリア」


役職と名前を述べる。先導する様は確かに会長らしく、流れを作った。


「副会長のシオン・ジグレイドだ。よろしくね」


にこりと笑う爽やかな翠髪の青年。何度見ても笑顔が眩しい。


「庶務のフェイ・ヴァルク。遠慮せず頼ってくれ」


いかにも兄貴肌、そういう印象を受けたし実際そうなんだろう。茶色の癖っ毛で服の上からでも筋肉質なのが分かる。


「リゼ・アストレア。書記よ…貴方、早く育ってちょうだいね」


眼鏡とウェーブの薄紫髪。顔色が少し悪そう…?

休みたい…と聞こえたのは気のせいなんだろうか。

多分私に向けて笑ってくれたみたいなんだけど…笑い方がなんか、不器用…!


これにて先輩陣は終わりみたい…?と思ったその時。


「ちょっとちょっと!私を忘れてませんか!?」


ドタァン!!と勢いよく音を立てながら、女子生徒が部屋へ入ってきた。


「酷いですよ会長!広報の私を置いて話を進めるなんて!」


まだ居たの!?レインが全員って言ってたし席も埋まってたからもう居ないと思ってた…


「…ミアくんは今日もいつも通り明日の広報のために取材に回ると言っていたじゃないか」


明らかに厄介払いをしたそうな表情でシオンが答える。あんな表情見たことないし、よっぽど変な人なのかもしれない。


「そんな!?私ちゃんと後輩ちゃんに挨拶に来たんですよ!?」


「…悪かった、さっさと席に着け」


「はーい!」


その訴えに折れたようで、レインが指示し勝手に椅子を持ってきて私の隣にミアは座った。


なんで隣ぃ!?


「よろしくねぇ、後輩ちゃん」


しかも肩組んでくるし距離の詰め方おかしいって!


…でも、少し張り詰めてた空気が和んだ気がする…?


「挨拶を」


リゼが促し、ようやく流れが顔合わせの方へと戻る。


「ミア・クロウェル。広報担当だよ。よろしくねー」


ちゃんとした挨拶も出来るらしい。

赤みがかった茶色の髪に、丸眼鏡。何よりもこの溌剌さは1度見たら忘れることは無いだろう。



「はい次、ユノっちでしょ?流れ的に」


「はっ、はい!」


ユノっちと呼ばれた、私の隣に座っていた子が返事をする。

ここからは、私達が喋る番のようだ。


「ユノ・セルディア、ですっ!会計担当です!よろしく、お願いします!」


緊張か分からないが、言い終えた彼女の顔は少し赤くなっていた。


…なんか私まで緊張してきた…


「うん、ありがとう皆。じゃあここからは、新しく生徒会へ選ばれた栄誉ある2人に一言貰おうかな」


私とセイルへ視線が向く。

お膳立ては必要だと分かってるけどっ……落ち着け、一旦深呼吸…


「セイル・ルミナス。以前から知っての通りですがこの度、生徒会役員に就任しました。これからもよろしくお願いします!」


うっは…セイル元気ぃ…すごいなぁ…私も、続かないと!

スっと一息ついてから、言葉を連ねた。


「この度生徒会書記に就任します。ルナ・メモリアです。どうぞ…ご指導ご鞭撻の方、お願いします」


和かな笑顔と拍手が響く。無事に、挨拶は終えれたみたい?






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