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異世界ローカル路線バス  作者: 横浜あおば
第一期中期経営計画

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69/202

異63系統 ニサーラ井堰〜ニサーラ井堰入口〜異世界車庫

2024年3月27日にカクヨムで公開したものです。

「お疲れ様です」


 今日の乗務を終えて、営業所の建物へ戻ると。


「おっ。やっと戻ってきたな、はこび」

「お疲れなのです」


 よく分からないが、何故かはやてとこころに出迎えられた。


「えっと……?」


 困惑した表情で首を傾げていると、はやてが口を開く。


「2024年問題、無事解決やで!」

「え、待って。意味不明なんだけど」 


 2024年問題。

 長時間労働を是正しワークライフバランスの改善を目的とする働き方改革関連法の一環で、2024年4月から自動車運転者の時間外労働の上限が見直されることにより生じる人手不足等の問題のこと。

 トラック業界でも大きな問題となっているが、路線バスでも減便や路線の廃止・短縮、終バスの繰り上げなど、数々の影響が懸念されている。


 で、その2024年問題がどうしたというのか。

 ちゃんと説明してくれないはやてに代わって、こころが教えてくれる。


「四月から、新しい運転手さんが入社してくるそうなのです。それも三人、なのです」

「えっ、そうなの!?」


 あまりにも衝撃的な情報に、思わず大声を上げてしまった。


 だってここ、異世界だよ?

 大型二種免許どころか、普通免許だって誰も持っていないだろうに。

 しかも路線バスの運転手なんて、車内に一年中求人広告を掲示していたところで応募者ほぼ皆無なのに。

 それが一気に三人、とは。


 しばらくして、何やら作業をしていたらしい所長が奥から現れた。


「はこびちゃんお帰り〜」

「所長! 運転手が三人入ってくるって本当ですか!?」


 勢いよく詰め寄ると、所長はやや引き気味に後ずさりしつつも首を縦に振った。


「う、うん。本当だよ」

「その人たち、ちゃんと大型の運転出来るんですか!?」

「そこはまあ、教習次第じゃない……?」


 そう言って目を逸らした所長に、勢いを失った私は呆れて溜め息を吐いた。


「じゃあ、運転は素人ってことですね?」

「でも最初は誰だってそうでしょ。はこびちゃん達だって入社したての頃は随分と危なかっしかったもんだよ」

「それはそうかもしれませんけどぉ……」


 話をすり替えられて、私は唇を尖らせる。


「みんなにはそれぞれ一人ずつ、新人ちゃんの面倒見てもらうから。割り当ては四月に入ったら伝えるってことで」



 そして迎えた、4月1日。

 個性豊かな異世界人の運転手(候補者)が、まもなくこの営業所にやって来る。

次回から新シーズン突入。新たな仲間が加わって、物語のギアが上がる。かも?

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