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異世界ローカル路線バス  作者: 横浜あおば
第一期中期経営計画

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56/202

異52系統 ラフォク新市街BT〜(直行)〜キョクヴー寺

2023年12月27日にカクヨムで公開したものです。

 大晦日の夜。2023年も間もなく終わりを迎える。

 けれど私の仕事は、むしろここからが本番だ。


 本来の最終バスの時間は過ぎているが、これから元日の朝にかけて、初詣客のために一部路線で終夜運転を行うのである。


「お待たせいたしました。キョクヴー寺行きです」


 車外放送スピーカーでアナウンスしつつ扉を開けると、ロータリーにずらりと並んでいたお客さんたちが続々とバスに乗り込んできた。


 あっという間に座席は埋まり、通路も人でいっぱいになる。

 混雑率はもはや朝の山手線レベル。


「申し訳ございません。このバスはもう満員になりますので、次のバスをご利用ください」


 流石にこれ以上は乗れない。列の先頭の人に謝罪を告げて、乗車を打ち切る。

 発車時刻になると同時、前扉を閉めてバスを発進させた。


『発車致します。お掴まり下さい。本日も埼京交通バスをご利用いただき、誠にありがとうございます。この車は、異52系統キョクヴー寺行きです。このバスは終点まで直行です。途中の停留所には停まりません』


 終点のキョクヴー寺に到着すると、数人のお客さんを乗せてすぐに折り返し。

 ラフォク新市街バスターミナルに戻ったら、また満員状態でキョクヴー寺へ。


 日付が変わっても、初日の出が昇っても、ひたすらにピストン運転を続ける。



 そして、ようやく仕事が終わった時には、世間はすっかりお正月モードになっていた。


 新しい1年が始まる。


 2024年は平和に穏やかに過ごせたらいいなぁ。

 まあ、異世界に来てしまっている時点で穏やかになるはずもないのだけれど。

 ともかく。


 私は2024年も、路線バスの運転手としてこの世界で頑張っていこうと思う。

 この世界の人たちに路線バスのことをより身近に感じてもらえるように。

 もっともっと多くの人に、路線バスの魅力が伝えられるように。

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