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異世界ローカル路線バス  作者: 横浜あおば
第一期中期経営計画

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54/203

異50系統 ウィンタリナー街道〜ロラ遊園〜サツグット広場〜ラフォク新市街BT

2023年12月13日にカクヨムで公開したものです。

 季節はすっかり冬。

 お客さんの服装もコートやマフラーなど、ほとんどの人が厚着をしている。


『次はロラ遊園。土日祝日も診療の、エディル内科医院へはこちらが便利です』


 次の停留所が近づいてくると、待っている人の姿が見えた。

 ブレーキを踏んでゆっくりと減速し、停車。


 前扉を開けると、乗り込んできたのは頭にうさ耳が生えた少女だ。


「うぅ〜、今日は一段と冷えますね」


 独り言を呟きながらコインを運賃箱に入れて、一人掛けの座席へ。


「発車します」


 私は一言アナウンスしてから、バスを発進させた。


『次はヘーテベッヒ銀行前。……次、停まります。バスが完全に停車するまで、席を立たないで下さい』


 数百メートル走ったところで、交差点の手前で一時停止。

 荷車を引いた行商人が通り過ぎるまでの間、ちらりとミラーに視線を向ける。


 先ほど乗り込んできた兎の少女は、寒そうに両手を擦り合わせている。

 時折はぁっと息を吐いて、少しでも手を温めようと試みている様子。


「…………」


 私は無言でそんな彼女を眺めていた。

 これ以上暖房を強くしたら逆に暑くなりそうなのでしないが、相当寒いんだろうなと思う。


 だって。

 あの子、肩出しのトップスとミニスカートの上にタキシード風の上着を羽織ってるだけなんだもん。


「うぅ、寒いです……」


 お洒落に我慢はつきものってことなのか、はたまた種族としての風習か何かなのか。

 ともかく。


 頑張って、雪兎のバニーガールさん。


 アクセルを踏んで再発進させつつ、私は心の中でそっとエールを送った。

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