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異世界ローカル路線バス  作者: 横浜あおば
第一期中期経営計画

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44/202

異41系統 サッパビア温泉〜リーリッヒ鍾乳洞入口〜チェゼウィク採石場〜ティワハール炭鉱

2023年10月4日にカクヨムで公開したものです。

『次はロシド村役場。ロシド湧泉群、ラフォク新市街バスターミナル方面はお乗り換えです』


 次の停留所が近づいてくると、待っているお客さんの姿が見えた。

 ゆっくりとブレーキを踏んで、ぴたりと停車させる。


「ティワハール炭鉱行きです」


 前扉を開けると、バス停に立っていたのは美少女三人。

 最初に乗り込んだ少女が、まとめて三人分の運賃を支払う。


 彼女らはどこか暗い顔をしていて、無言のまま一番後ろの座席に並んで座った。


 大丈夫かな、あの子たち。何かあったのかな……?

 少し心配になる。


『この車は異41系統ティワハール炭鉱行きです。次はカナヅマ隧道。お降りの方はブザーでお知らせ下さい』


 しばらくして、後方から少女たちの話し声が聞こえてきた。


「勇者様、どこに行ってしまったのかしら……」

「姿を消してから、もう一ヶ月以上経っています」

「もしかして、私のことを嫌いになっちゃったんじゃ……」


 あっ、思い出した。この美少女三人、以前に乗せたことがある。


 あの時は確か、スマートフォンを持った転生勇者と一緒にいたはずだ。

 でも今は彼とは行動を共にしていない様子。

 話の内容からして、勇者は先月から行方不明になっているらしい。


「確かにあいつは若い女の子が好きだし、浮気性なところもあるけど。だからってアハムのことを嫌いになるなんて、そんなはずが無いわ。手がかりを探して、絶対に見つけ出しましょう?」

「エクシムさんの言う通りです。だからそう落ち込まないでください」

「エクシムさん、イルムさん。ありがとうございます」


 盗み聞きしたようで悪いが、多少は前を向けたようで良かった。


 にしても、勇者の行方不明事件とは只事ではない。

 誰か事情を知っていないか、営業所に戻ったらはやてとこころに訊いてみよう。


 そんなことを考えつつ、私は交差点を右折すべくハンドルを右に切った。

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