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異世界ローカル路線バス  作者: 横浜あおば
第一期中期経営計画

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43/202

異40系統 ニサーラ井堰〜ヨギマ五等級ダンジョン〜西スギャ村〜イーケヴォック楼東入口

2023年9月27日にカクヨムで公開したものです。

 何か、変な噂が広まっている。


『次は西スギャ村。タイソー大学前でございます。トゥエール三滝線をご利用の方はお乗り換えです。……次、停まります。バスが完全に停車するまで、席を立たないで下さい』


 降車ボタンが押された。

 次の停留所が近づいてきたので減速し、ゆっくりとバスを停車させる。


 待っているお客さんもいたので、前と後ろのドアを同時に開けた。


「イーケヴォック楼行きです」


 降りる人の様子をミラー越しに確認しつつ、車外放送スピーカーでアナウンスする。


 乗り込んできたのは、冒険者の男性二人組。

 彼らは掲示されている車両番号と私の顔を見て、興奮したように声を上げた。


「うおっ! 2879号車ってことはこの嬢ちゃんが例の!」

「本当だ、間違いねぇ! ロードキラーのはこびだ!」


 うん? ロードキラーのはこび……?


「なぁ嬢ちゃん、あのマーダーウルフを一人で討伐したんだろ? 御者なんか辞めて冒険者にジョブチェンジしたらどうだ?」

「このバスとやらで魔物をガンガン轢き殺してくれたら、俺らとしちゃあかなり助かるんだがな」


 運賃を支払いながら、そんなことを言ってくる男性二人。

 これは完全に、冒険者に転職しないかというスカウトだ。


「あはは……。いやぁ、すみません。あの、もう発車しますので、お席にお座りください」


 いつまでもここに停まっていたら到着が遅れて、他のお客さんの迷惑になってしまう。

 一旦話を切り上げたい。


「おっと、すまなかったな」

「ギルドも嬢ちゃんを欲しがってる。ちっと考えてみてくれや」


 彼らは大人しく私の注意を聞き入れてくれて、後部座席へと向かっていった。


「お待たせいたしました。発車します」


『次はフォリアリ地区。スギャ村立中学高等学校前でございます。お客様にお願い致します。やむを得ず停留所から離れて停車する場合がありますので、お降りの際はご注意下さい』


 確かにこの前オオカミっぽい動物をロードキルしちゃったけど、まさか魔物だったなんて。しかもめちゃくちゃ強いやつ。


 いつの間にかおかしな二つ名が付いてるし、冒険者ギルドにも目をつけられてるみたいだし。あんまり目立ちたくないんだけどなぁ……。


 それにそもそも、私はバスの運転手を天職だと思っている。

 他の仕事をするなど考えられない。


 本当にバスと一緒に異世界に来られて良かったよ。

 バスが無かったら無職になってたところだもん。

 無職で転生したら絶対地獄だもんね。

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