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異世界ローカル路線バス  作者: 横浜あおば
第一期中期経営計画

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フェンリルライナー21便 王城前(メー王国王都)〜革命広場東(トー共和国首都)

2023年5月3日にカクヨムで公開したものです。

 春の大型連休の真っ只中。きっと帰省や旅行なんかで遠出してる人も多いやろ?

 ってなわけで。今回はいつも主人公ぶってるはこびに代わって、高速バス担当の遠町とおまちはやてがお送りするで。


 タイトルが異世界ローカル路線バスやのに路線バスやあらへんがな! レギュレーション違反やろ! ってツッコミは禁止カードやから勘弁してな?



 異世界に高速道路なんかあれへんやろって思ったそこのあんた。それが似たようなもんがこの世界にもあるんや。こんな行き先のバス見たことあらへんか?


《異11系統 ガマガメ病院経由 トー交易路》


 この交易路っちゅうのが、高速道路みたいなもんや。

 路面もしっかり舗装されとって、坂もカーブも緩やかで。本来は馬車のためのもんやけど、大型バスが走っても全然問題無いくらい道幅も広くて走りやすいんやで。


 んで、今現在もその交易路を絶賛走行中なんやけど。


「うむ。これは快適だな」

「早馬を乗り継いでも10時間はかかる距離を、5時間で移動できるとは驚きだ」


「椅子もふかふかだし、揺れも少ないし。段々眠たくなって……。スヤァ……」

「喋りながら寝たわこの子。にしても、庶民にも手が届く値段でこんな素晴らしい乗り物に乗れるなんて、いい時代になったものね」


 老紳士から少女の冒険者まで、乗客たちは口々にそんな感想を述べている。めっちゃ持ち上げてくれるやん。

 日本では新幹線やら飛行機やら、えらい強敵と戦っとったから、馬車相手やと無双出来て気持ちええわ。まあ運賃は8000ゴールド(繁忙期料金、閑散期ならもうちょい安い)とそこそこお高めやけどな。


 途中、休息所(サービスエリア的なもん)に寄りつつ、走ること5時間。

 朝10時に王都を出発したフェンリルライナーの昼行便は、交易路を降りて目的地であるトー共和国首都の市街地に入った。


『長らくのご乗車、お疲れ様でした。まもなく終点、革命広場東です。荷物棚や座席前のポケットなどに、お忘れ物、落とし物なさいませんようご注意下さい。車内事故防止のため、バスが止まってから席をお立ち下さい。本日は埼京交通バス、フェンリルライナーをご利用頂きまして、ありがとうございました』


 午後3時、定刻通りの到着。

 交易路には車もトラックも走っとらんから渋滞なんかあらへんし、当然なんやけどな。


「革命広場東終点です。ご乗車ありがとうございました〜」


 人通りの多い大通りにある停留所にバスを停めて、扉を開けながらそうアナウンスをする。

 ウチかてアナウンスは標準語でするねんで? 関西の訛りは抜けへんけど。


「いやぁ、これは本当に楽ですなぁ」

「ええ。是非ともまた利用したいですな」


「最初は無駄遣いかなぁとか思ってたけど、バスにして正解だったよ〜」

「そうね。バスの良さを知ってしまったら、もう馬車移動には戻れないわね」


 お客さんのみんなも満足してくれたようで何よりや。



 ほな、そろそろはこびに怒られそうやから今回はこの辺で終わりにするで。次はお盆休みあたりにでも乗っ取らせてもらうわ。以上、遠町とおまちはやてでした〜。おおきにな!

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