ブルーナイトメア139便 皇都(ヘイジオ皇国)〜王城前(メー王国首都)
まだ折り返しの発車時刻までは時間があるので、はやては高速バスの運転席で目を瞑って休憩していた。
すると、窓をコンコンと叩く音がして、はやては目を開ける。
「う〜ん、誰や?」
見てみると、そこに立っていたのはヘイジオ皇国の忍者的な部隊に所属するクレハだった。
「ご無沙汰しております、はやて殿。お元気そうで何よりです」
「おぉ、クレハちゃん! なんや魔法が使えなくなっとるみたいやけど、大丈夫なんか?」
はやては異世界人であるにも関わらず、なぜか魔法もスキルも使えない(チートで無双するのがこういうのの常識やないんかい!)。
だからはやてにはあまり実感や害はないのだが、彼女のような戦闘や諜報をする人にとっては一大事なのではないか。
心配するはやてに、クレハはにひっと笑った。
腰に右手を当てて、力強く答える。
「問題ありません! 我々やミササギ女皇はマナを必要としない古代妖術も身につけておりますゆえ」
「古代妖術って、なんや?」
「分かりやすいものですと、お札を用いて術式を発動させるもの、とかでしょうか」
「おぉ、そんなんもあるんや」
要するに陰陽師とかの感じやろうか?
この国を見ていると、つくづく京都っぽい場所だなと思う。
「っとっと、お休みのところお邪魔してしまってすみませんでした! はやて殿、今度は仕事ではなく純粋に遊びにいらしてください。ミササギ女皇も先日のお礼がしたいと申しておりましたので」
それでは、とクレハは文字通りドロンと消えた。
瞬間移動でもしたのか一瞬でどこかへ行ってしまったので、はやては挨拶も言えなかった。
全く、クレハちゃんはせわしないやっちゃな。




