↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻想のカラディシア  作者: 空港ヨハンナ
外務大臣

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
41/84

3 外務大臣は掃除したくない

 一階に戻ると、ゲーミングヨハンナが、シャンパンシャワーを浴びていた。


「「「ヨハンナ! ヨハンナ! ヨハンナ! いぇええええええい!」」」


 Oic Placeの一階。


 ゲーミングヨハンナが両手を広げ、その頭上から勢いよくシャンパンが降り注いでいる。


 ダリウスさんとマンタスさんが、シャンパンを飲んでいた。


 いや、もしかしたら安いスパークリングワインかもしれないけど。


 床には泡が飛び散り、周囲には酒の匂いが漂っている。


「ふっふっふ、勝ったあとで飲むお酒は美味しいねぇ」


 ゲーミングヨハンナは、缶ビールを飲んでいた。


 そういえば、さっきの試合。


 ラジオヨハンナのソナを倒すことには成功したものの、試合には負けていたはずだ。


 まあ、本人が満足しているなら、それでいいのだろう。


「ふっふっふ」


 隣で哲学ヨハンナが笑った。


 そして、平らなポケットに手を滑り込ませた。


 にゅっ。


 取り出したのは、缶ビール。


 魔法でしまい込んでいたのだろう。


 かしゅ。


 ごくごく。


「ふっふっふ、お風呂の後の一杯は格別だねぇ」


「そうですか」


 ヴィルテは答えた。


 眠かった。


 もう、さっさと寝てしまいたい。


 その時、


「くそが」


 ヴィルテは振り返った。


 Oic Placeの管理人さんだった。


 大量のモップを携えて、騒ぎを見ていた。


「お前ら後で覚えてろよ」


 管理人さんは、それだけ言った。


 ゲーミングヨハンナは相変わらず上機嫌だった。


「ふっふっふ、今日は記念日だねぇ!」


「ヨハンナ! ヨハンナ!」


「いぇええええええい!」


 歓声が上がる。


 シャンパンが飛び散る。


 哲学ヨハンナはビールを飲んでいる。


 ヴィルテは、寝たかった。


 やがて騒ぎも落ち着き、ダリウスさんとマンタスさんは床に寝転がって、大きないびきをかき始めた。


 ゲーミングヨハンナは、満足そうに缶ビールを傾けている。


 その頃。


「皆様」


 管理人さんが言った。


 そして、眠っているダリウスさんとマンタスさんの頭を、軽く叩いた。


「いって」


 マンタスさんが目を開けた。


「なぁにすんだよぉ」


 ダリウスさんが顔をしかめた。


「これだけ汚しておいて、なにするもないでしょう。皆様、掃除してください」


 管理人さんは、持ってきた大量のモップを示した。


 床には酒が広がっていた。


 泡も残っている。


 周囲のマットレスにも、少なからず飛沫がかかっていた。


 全員で掃除をさせられた。


 何故かヴィルテと哲学ヨハンナも。


「ったるいねぇ、だるいねぇ」


 哲学ヨハンナは、モップを動かしながらぼやいていた。


 ゲーミングヨハンナは、鼻歌を歌いながら床を拭いている。


 ダリウスさんとマンタスさんは、何度か座り込もうとして、そのたびに管理人さんに起こされた。


 ヴィルテも黙々と床を拭いた。


 眠かった。


 とにかく眠かった。


 二時間後。


 掃除を終えれば、真夜中だった。


 床は綺麗になり、酒の匂いもいくらか薄れていた。


 ヴィルテはモップを返却し、寝床へ向かった。


 マットレスに横になり、毛布をかぶる。


 遠くで誰かが笑っていた。


 誰かの寝息が聞こえた。


 窓の外では、雪が降り始めていた。


 結局、今日は寝ることにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。