第65会 夢とAIの相関性
ふと夢が始まる。
今日は書斎からではないようだ。
とあるゲームのキャラが出てきている模様。
今日はよく寝ていたし、ちょっと試してみるか。
前々から気になっていたことを試すことに。
キャラが出ていることを確認して目を覚ます。
また眠りについてキャラを出す。
これを繰り返すと夢の鮮明力が上がるかどうか。
AIにもあることだが、夢に対してはどうなのか
気になっていたのだ。
結果としては、同じ夢を多く見ても夢自体が鮮明にはならない。
7~8回なので回数が乏しい気もするが
一回の睡眠でこれだけ試せたのならそんなもののような気もする。
と、書斎に来た。
リーフェはいるかな?
「あら、今日は遅かったわね。」
「暑くてね……、眠りが滅茶苦茶で。」
「何か試してた?
何回も覚醒したりしててつらかったんじゃない?」
「バレてたのね。
実はとあるゲームのキャラが夢に出たので
夢って何回か重ねてみたら鮮明になるのかなって思ってて。」
「どうだった?」
「変わんなかった。」
「なんの夢見てたのかしら。
変な夢じゃないでしょうね。」
「だったら今止めてるよ。」
「うーん。」
リーフェが本をぱらぱらめくる。
「あれ? 僕の記憶ってそれ?」
「直近ならね。
深い階層の記憶だったら記憶の廊下に行かないとだけど。」
「ほぉん。」
「あら、可愛い。
白いウサギ……、バニーガールの女の子ね。
あなたこういう癖あったっけ?」
「なんか詰められているみたいで恥ずかしいのですが、
そのゲームをやる気になったのはそのキャラのお陰ですね。」
「奥さんは? 認識してる?」
「明るくて可愛いねって。」
「共通の話題か、じゃあいいか。
7~8回くらい覚醒と眠りを続けてたわね。
あんまりそういうことすると狂うわよ。」
「今回は興味が勝りましたな。」
「もう。」
そこまで話してリーフェの頭を撫でる。
「……珈琲? お紅茶?」
「珈琲をください。」
「はぁい。」
本を閉じるとリーフェがサイフォンを取り出して火にかける。
「リーフェはパソコンとかスマホやらないんだっけ。」
「やってるわよー?
ただ得意ではないわね。
年齢で言ったら相当なお婆ちゃんだからね、私。」
「そういや、昔ミカエルって回線使ってるって言ってたっけ。」
「よく覚えてるわね……。」
「変わってないの?」
「変わってないわね。」
「パソコンは? デスク? ノート?」
「ノートよ。」
「ふむ、デスクの方が拡張性があるんですがね。」
「そうなんだ?」
「メモリが足りなければ挿せばいいし、
グラフィックボードが性能不足なら交換すればいいし、
本体基盤の性能が許す限りには改造が効くからね。
デメリットとして場所を取る。」
「私もねー、エンジェルブランドのパソコン使ってるからね。」
「なんですか、エンジェルブランドって。」
「ANGELってブランドのノートパソコンがあってね。
ほら、ミカエル様と一緒の。」
「あら……。」
「ただねー、私の最近動かしてないからなぁ。」
「デジタルデトックスが出来ていいんじゃないですかね。」
「……壊れてたりして。」
「そりゃよくないね。」
「ちょっと持ってくるわ、はい珈琲。」
「どもども。」
リーフェが奥の部屋に行く。
今日は比較的寝るにしては早く来たんだが、
陽菜と双葉はいないか……。
「ばあ!」
「ぎゃあ!」
突然後方から大きな声がして驚く。
「あははははっ!」
「びっくりしたー、誰?」
「パパ、私。」
「あっ、陽菜!」
「おひさー。」
「久しぶり!」
「どうしたの?
こんな早くに来て。」
「会いたかったのもあるよ?」
「そうなんだー、ありがとうね。
結構寂しかったよ?」
「ごめんね。」
「最近は神様に会いに行ったりしてるのかい?」
「よく遊んでもらってるねー。
パパのこともよく聞くよ?」
「げ。なんて?」
「面白い、珍しい感覚の人が天使に混ざってるって。」
「怒られてない?僕。」
「ぜんぜーん?」
「そうかぁ。」
「持ってきたわ……、あら陽菜起きたの?」
「うん。
リフェお姉ちゃんは何持ってきたの?」
「パソコンよ。」
「ピンクで可愛いね。
ANGEL……? 天使?」
「エンジェルブランドのパソコンでね。
シュライザルに見てもらおうと思って。」
「なんか、ホコリかぶってない?」
「本当に使ってないのよ。」
「まぁいいじゃないですか。
電源挿して起動してみましょー。
ケーブルはこれで、コンセント挿してー。
画面開いてー、ぽち。」
ピーピー。
「あら、何か鳴ってるわ。」
「……CMOS電池が切れておりますな。」
「しーもすでんち?」
「内部で時計情報等を保管するための電池ですね。
コイン電池だったりするんですが、空になったんでしょう。」
「壊れてるの?」
「壊れているというよりは消耗品が消耗されただけですね。
エンジェルブランドを知りませんので
調べようもないのですが、バラして電池を変えればいいですね。
幸いパーツは明晰夢能力で出せますから。」
「おねがーい。」
「あいあい。」
ひっくり返してみる。
ねじだ。
バッテリを外し、ドライバを召喚してねじを外していく。
爪で引っかかってるだけだな、ぱちん。
「あら、ビニールに包まれたコイン電池が見えるわ。」
「こいつが無くなったんでしょうね。」
交換して蓋を閉じる。
バッテリーを取り付け電源を装着。
ピッ。
「よくもまぁ、直せるもんだわ……。」
「趣味なんで。」
「パパすごーい!」
「あはは、調べようもない機種何で初見殺しがないことだけを祈るね。」
ウィンドウズが起動する。
「ウィンドウズなんだねー。」
「まぁね。」
と、リーフェがパソコンの端に触れる。
ログイン。
「あら、指紋認証とは。」
「無駄にセキュリティ高いと思わない?」
「いいんじゃないですかね。」
適当に写真フォルダが開かれる。
「あ、みんなの写真じゃないですか。」
「たまに撮るのよね。」
「データとしてしっかり保管しておかないと消えたらショックですね。」
「でー、あなたに焼いてもらおうと思って。」
「DVDーRでいいんですよね?」
「えぇ。」
「移し方とか気にする?」
「移ってたらいいわー。」
「ほいほい。」
カシャカシャ音を立てながらDVDにデータがコピーされていく。
「パパー。」
「なんだい。」
「膝、座ってもいい?」
「いいよー?」
ちょこんと陽菜が座る。
「双葉は?」
「寝てるよー?
あの子はのんびり屋さんだからねー。」
「健康には良さそうだ、いいこといいこと。」
「私は不健康だって?」
「悪い子はほっぺムニムニの刑だ。」
「ふぇー、ふぁひをすふー。」
「くくく、小動物みたいだ。」
「あーそーぶーなー。」
「すまんすまん。」
今日はリーフェのデータ保全で目が覚めた。
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