第20話:大爆発の決着と、絶対不可侵の要塞
ドガアアアアアアンッ!!!!
戦艦ヤマトの巨砲が吐き出した砲弾が、海将の胸部装甲を真っ向から撃ち抜いた。
「ギ、ガアアアアアアアアッ!?」
凄まじい衝撃波と爆炎が巻き起こり、ビルのような巨躯を誇る海将が、海上で激しくのたうち回る。胸部には巨大な風穴が穿たれ、紫色の体液が濁流となって大阪湾へ撒き散らされた。
上空からは航空自衛隊の支援機が絶え間なく爆撃を浴びせ、追い打ちをかける。
そこへ、爆音が響き渡り、空輸ヘリから超大型の鋼鉄のコンテナが甲板へと投下された。
『A.G.I.S.試作型大型レールガン』だ。
佐々木はコンテナを叩き割り、重厚なレールガンを担ぎ上げると、電磁投射のチャージを開始させた。
キィィィィィン……!
青白い電光が砲身を駆け巡る中、佐々木は虫の息で苦悶する海将を見下ろし、呆れたように苦笑した。
(まあ……あの主砲の一撃で、もう勝負はついているようなもんだけどな)
『―――――』
ドクン!!
『クロノ・ヴィジョン』を発動させ、完全に動きの止まった海将の「露出した内部核」に、寸分の狂いもなく砲身を固定する。
「……喰らえ」
引き金を弾いた。
――ズドォォォォォォンッ!!!!
音速の数十倍で撃ち出された超高エネルギーの質量弾が、海将の核を内側から消滅させた。
直後、巨大な体が海上で大爆発を起こし、光と衝撃波となって木っ端微塵に爆散した。
大阪湾に降り注ぐ、黒い雨と静寂。
「……勝った……勝ち勝ったぞぉぉぉぉッ!!」
ヤマトの甲板、そして全世界のモニターの前で、万雷の歓声と歓喜の叫びが巻き起こった。
◇
――それから、半年後。
季節は巡り、栃木県日光市。
かつて日光東照宮が存在していた広大な山々は、今や世界最大の超巨大要塞――『A.G.I.S.極東司令部・日光絶対不可侵要塞』へと姿を変えていた。
最新鋭の対空レーダー網、要塞砲、そして重層的な生体バリア展開装置が立ち並び、山全体が鋼鉄の城塞と化している。
かつて佐々木が大洗で地下掘削種を討ち取り、完璧に地盤死守したからこそ完成した、人類希望の象徴だ。
その要塞の最深部にある戦略作戦会議室。
「――以上が、半年以内に予測される『第四波』の大規模侵略に対する陸海空の防衛構想です」
巨大な立体ホログラムの地球儀を囲み、真剣な面持ちで議論を交わしているのは、世界各国から集結したA.G.I.S.陸海空軍の最高将校たちだった。
その中心には、制服に身を包み、堂々たる威厳を漂わせる大和猛の姿もあった。
「佐々木顧問。貴方の『未来の知識』と、我がヤマト艦隊の機動力があれば、敵の第4波も必ず迎撃できます」
猛が力強く頷き、佐々木へと信頼の視線を向ける。
「ああ。日光要塞の建造も間に合った。今度こそ、人類は絶対に負けない」
スーツ姿の佐々木は、窓の外に広がる完璧な要塞の全貌を見つめながら、静かに、そして力強く答えを返した。
1周目の絶望の未来は、完全に塗り替えられたのだ。
人類と侵略者の生き残りを懸けた真の決戦へ向けて――佐々木達也とA.G.I.S.の戦いは、新たな局面を迎えるのだった。




