図書室と言えばの、ドキドキシチュエーション
──ネイクとリルネットは、図書室にいた。──
リルネットが読みたい本があるとの事で、ネイクはリルネットの隣にぴったりと寄り添いながら、図書室を歩いていた。
授業を終えた後の図書室デート良い!
リルネットは、薬草学の蔵書の前でピタリと止まった。
そして目をキラキラ輝かせてクルッと右に曲がる。リルネットが足早に歩き出す。
ネイクがリルネットに引っ張られながら後ろからついて行く。
(リルネット夢中だね。リルネット楽しそうだ。フフフ)
そして、ある本棚の前でリルネットが急にピタリと止まった。リルネットの背中にネイクの顔が軽くぶつかる。
リルネットは何かを見つけたようだ。
スタスタと進み、ある本の前でピタリと止まった。
そして、じっと上の本を見つめる。
(こ、これは。あれだね、リルネット。僕が君の届かない本を軽々と背後から取り出してだね……。
そして、そんな僕にドキッとする図書室あるあるシチュエーションだね。
フフッあらゆる恋愛小説を読み漁ったかいがあったと言うものだよ……。リルネットの読みたい本は……?)リルネットの目線にある本をネイクも追う。
(な、高い!高いよリルネット。本は非常に高いところにあるね!)
リルネットの目当てであろう本は高い本棚の一番上にあった。ネイクが背伸びしても到底届かなさそうであった。
リルネットは、にこりとネイクに微笑んで、手を斜め上にあげると、高いところにあった本が、
本棚の上からスポリとリルネットの手に収まった。
(なっ!そうだ、そうだったね!フフフフフフフフフッ。僕たちにはどんな高いところに本があろうとも造作もなく取り出せるよね!)
図書室!ドキドキシチュエーションが……、。
ネイクはしょんぼりと肩を落とした。
そんなネイクをリルネットはフサフサの睫の奥にある綺麗な紫色の目でじっと見つめた。
……ネイクもじっと見つめ返す。
(ドキドキシチュエーション再開だね。)ネイクはドキッとしながらも、その美しい瞳を閉じた。
……?!!……
んっ?リルネット?どうしたの?
少し待ってもネイクの唇にはリルネットの柔らかな唇は重ならなかった。
代わりに…何故かリルネットの細く柔らかな白い手で払われていたのだ?
頭の先から…手…足…背中なんか特に入念に!
(何だい?何故なんだい?リルネット。)
リルネットは真剣な顔をして手でパンパンと払っていた。
パンパンパン……
パンパンパン……
(パンパンが過ぎやしないかい?リルネット。)
暫くしてネイクの体の隅々を手で払い終わったようだ。
リルネットは満足気に、にこりとと微笑んだ。
「リルネット。どうしたんだい?」
リルネットは斜め上を見つめ少し考える。
「ルシファスさんが、ネイク様を見つめていたから……でしょうか……。」
リルネットは、首をかしげた。
リルネットはネイクの綺麗な銀色の髪の毛をそっと耳にかける。自分の瞳と同じ色のピアスが見えた。そのピアスをそっと触る。
少し背伸びをして、ネイクの唇の奥に自分の舌を侵入させてネイクの舌に絡ませた。
リルネットの思いもよらない返答とキスによって ネイクはされるがままになっていた。
ネイクはとてもウットリとしていた!!!
最高すぎやしないかい!
ネイクの熱さ、さめやらないままに、リルネットはその後、数時間ほど書物を読んだ。
ネイクも本を読みながら、チラチラとリルネットを見ていた。
(あの虫けらは使いようによっては、なかなかに使えるものだね。
リルネットのおそらく僕に対する嫉妬?を引き出せたのだから。
あの虫けら…暫く泳がせてみようか?)
♢
その頃、ルシファスは……。
自分の部屋のいつもの豪華なソファーに足を組み、葡萄ジュースの入ったグラスをくるくる回していた。
うっかり気を抜くと、また先ほどの震えが、ぶり返しそうであった。
それ程に、ネイクがルシファスに植え込んだ恐怖は大きなものだった。
ルシファスはグラスを少し上に上げて、ジュースを見上げた。
まだ、私の体にはあの方に植え付けていただいた恐怖が残っている!何てナンテナンテ幸せな感覚なのかしら!
ピンク色のその目は、狂気に満ちていた。
ウフフフアハハハハッッッ突然笑い出し、また恍惚とした表情になる。
そして、どこからか取り出したライラック色の花を取り出し、ぐしゃりと握りつぶした後、足で勢いよく踏み潰す。何度も何度も……。
「あいつを、陥れると、ネイク様はお怒りになるのよ。フフフフフフ」
………続く………
マロウ・シンクール
お読みいただき、ありがとうございます!
いよいよ次話で完結と致します!
ラストスパート頑張ります!




