初登校…あなたと…賑やかな者達と
──スカノア大帝国王立魔法学園──
歴史のある帝国随一の魔法学園である。
帝国各地からや他の国からも有能な者達が通う魔法学園である。
3学年あり6クラスある。クラス分けは、入学試験、模試等の順位からされる。
また、クラスごとにクラスのカラーのブローチを制服に着ける。
リルネットは今年度から導入された飛び級制度により、2学年から通うことになっており、ネイクと同じAクラスだ。
Aクラスは、紫色のブローチを胸元に着ける。
────身支度や朝食を済ませた。────
今日も朝からネイクがリルネットの髪の毛を丁寧にとかし、髪型はハーフアップにしてくれた。
勿論サイドはシルバーのリボンと一緒に編み込みをしてある。
朝食もくまゴーレム達が朝から焼き立てパンやスープ、フルーツなどを持ってきてくれ、ネイクの膝の上で食べた。
そして、馬車に乗り学園へと行く。
出発前に、リルネットの両親と兄が見送りに来てくれた。ルイジアとくまゴーレムのルネも一緒だ。
「リルネットは、この帝国の宝だよ。頑張っておいで。」
父から声を掛けられ、母からは万年筆をもらった。
馬車に乗り馬車が見えなくなるまで手を振ってくれた。ルイジアは泣きながら手を振ってくれた。そして、沢山の白いくまゴーレム達と、紫色のルネもうんしょうんしょと手を振ってくれたのだ。
リルネットは馬車のから、微笑みながら手を振った。
────リルネットの事を閉じ込めた家族は、リルネットの事を大事にしてない訳ではなかった。
只、我が子としての接し方ではないだけだ……。
我が子という前に、紫目、国の利益になる者、、そう思っている………のだろう……。
──馬車の中──
隣には同じ制服に身を包んだ美しいネイクがいる。
ネイクのピアスとブレスレットがチラリと見える。
リルネットのブレスレットと指輪、髪の毛に編み込まれたリボン……それらがネイクとの境界線をなしにして同じ一つのものに融合させていくようだ。
リルネットは、昨日までソワソワしていたのだがそれらのお陰か今日は落ち着いていた。
「今日のリルネットも美しいね。」リルネットの耳元で囁きにこりと微笑む。
──まただ。ネイクに耳などを触れられると、今までにない感覚を感じる……のだ。
リルネットも美しく微笑み、じっとネイクを見つめる。
……復習をする時間だ。
リルネットは、そっとネイクの頬を片手で包み込みネイクの頬にキスをし、今度は耳を丁寧に人差し指で触れそっとキスをし、そこを少しリルネットの唇で吸い上げた。
「ネイク様。ブレスレットありがとうこさいます。大事にしますね。」
愛しい乙女が満面の笑顔で微笑む。瞳が…。唇が…全てが美しく、可憐だ。
馬車を浮かせてしまう位、ネイクの心も浮きたった。
「この2年間学園生活を存分に満喫しよう。」
リルネットは、こくんと頷き微笑んだ。
────ネイクの心の奥底では、少しの罪悪感があった。本来ならばリルネットは3年間学園で学べる筈だったのだが、ネイクの策略により1年間学園に通う期間を短縮させてしまった。
リルネットはその全てを知っているのだろう。
しかしリルネットはその全てを知っているであろうに、ネイクに何事もないかのように、美しく微笑んでくれるのである。
──馬車は学園前の馬車停留所で停まった。
ネイクがリルネットをエスコートし馬車を降りようとした。
「おはようございます!主様~お嬢様~。ウフフフッ。」
大きく手を振って挨拶をしているのは、そう赤い髪と瞳にモノクルをかけている、デスモンド家の30番目の子供……ジーザス・デスモンドであった。沢山の学生の中でも目立つ外見だ。
そして、騒々しかった。
周りにいた学生達は皆一斉に注目し、そしてネイクとリルネットの美しくも神々しい姿に釘付けとなった。
・・ 皆3人に注目しヒソヒソと話すのであった。 ・・
あのお方は、王弟殿下だわ。なんと麗しい。私初めてお会いしたわ。
…前年度は数回しか登校なさらなかったからじゃないかしら。
前に拝見した時はもっと冷たい表情のお方だったような。
…あのお方はもしかして婚約者様かしら?
婚約者様がみえるからではないでしょうか。
なんと!素敵な!女神様のようだ。
…あっ後あの方はてんジーザス様は………ある意味すごい方ね。あのお二方の前でもいつも通りだわ。・・・
「やだも~お二人ったら朝からラブラブなんだからッキャッ皆大注目だわよ。」
3人で歩いていると他の生徒達は道を開け、あまりの美しさに立ち止まり魅入ってしまうのだ。
……と、急にすごい勢いでジーザスに突っ込んで来た者がいた。
「キャッやだ~痛い。」
ドシンと何者がぶつかった。その者とジーザスの間に何か黒いもやのような物が見えた。
「あら~ハックッション!あなた。おはようぁあハックソョンあなた…ハックソョンまた呪いがハックソョン…。」
黒いフードをすっぽりと被り、黒手袋という出で立ちの少年がいた。
おどおどした表情で「フヒーッも、申し訳ありません。フヒーッ。」ペコペコと頭を下げる。
「ハークッション。いいのよ。あなたにはいつも我が家がお世話になっているかハクションら~。」
ジーザスがそう言っていると後ろから、同じような背丈、同じような格好の少女が慌てて走って来た。
「す、すみません!うちの…弟が…すみません、すみません。今すぐに解呪致します。」
ペコペコと頭を下げながら少女はそう言うと手をかざし呪文を唱えた。
すると、ジーザスから黒いもやが出てきて、フーッと消えてなくなった。
「そちらのお二人は……!ネ、ネイク様は弟の呪いは効かない……!あっ!そちらの方も呪いは…弟の呪いの影響を受けられてないのですね!す、すごいです、そんな方はネイク様しか会ったことが…。」
「フフッ当たり前だろう。僕に出来る事なのだからリルネットも当然出来るさ。」
「す、す、すごいてす。
あ、申し遅れました。私はトロリー・グロビスと申します。弟はダズリーです。弟は何かのはずみで、呪いをかけてしまう体質でして……私しか解呪が出来ないのです。」
ダズリーはフヒーフヒーと言い、ペコペコと頭を下げ続けている。
「あら、あらあら、あなた…もういいのよ。いつもあなたには助けられてるのだからね。ウフフッかわいい坊やっ。」
ジーザスはそう言い、2人にバチンとウィンクする。
「…もう行きたまえ。」
2人はペコペコと頭を下げながら歩いていった。
「あの子も何というか…大変ねぇ…。どんな呪いでも解けるのに、自分のかけた呪いは解けないのだからね~、不憫ビンビンビンビンね~!
フフッあの子達もお嬢様と同じAクラスなのよ~!楽しくなりそうでしょ!」
バチンと、リルネットにウィンクをする。
「フム。そろそろ我々も行こう。」
ネイクはリルネットに手を差し出した。
ネイクの温かな手にリルネットの手をそっと重ね、学校に向かって歩くのであった。
──もう、間もなく入学式が始まろうとしている──。
────熱く…続く────
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いよいよ学園生活に突入いたしました!
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