入学式前日に……ブレスレットを手枷のように
学園の制服のまま、ネイクが見せたい物があるとのことで、リルネットの部屋から2人の部屋に移動した。
部屋に入ろうとすると、賑やかな声が聞こえてくる。
「な~に、これ~、。玉がこんなにたくさんね~。おっきな玉がこ~んなに、私のタマよりは小さいけれど……。
たくさんあるわ~ウフフ。連なっている~。キャッ」
「いやいや、いやはやいやはや…。
流石は、ジーザス様。
相も変わらず品位の欠片もないお方ですね。これは、真珠ですよ。最高級品の真珠のネックレスですよ。それをそんな言い方をなさるとは……。
まさに豚野郎。豚に真珠ですね。」
「いや~ん、や~だもう貴方ったらいつもいつも。
言うわよね~。でもそんな貴方が好きよ~。オーホホホホ。」
高らかな笑い声も聞こえてきた。
ルイジアがやれやれとあきれ顔になり扉をノックし、開ける。
「あら~主様とお嬢様。、今日も美しいわね。おはようございます。」
モノクルをかけた赤い髪の美しいが個性的な少年。
ジーザス・デスモンドがいた。
その隣には、ジーザスと同じ位の長身の少年がいる。
きっちり七三分けした前髪に、もみあげはクルンとしている。
少年はネイクに深々とお辞儀をした。
「フム。久しいなソードン君。」
少年は正式な挨拶をし、話し始めた。
「殿下、お久し振りでございます。
今日は世界各国から様々な品物をお持ちしましたので、どうぞご覧くださいませ。
よろしくお願い致します。」
にこやかな張り付けたような笑顔で、流暢に話し再度丁寧にお辞儀をする。
自らのきちんと整えられた七三の髪型と同じく丁寧できちんとしたお辞儀だった。
「初めまして。私トランブル伯爵家の長男ソードン・トランブルと申します。
今日はお会いできまして至極光栄でございます。」
今度はリルネットに挨拶をする。
「フフッお嬢様。ソードンはね~、明日からお嬢様が通う学園のクラスメイトになるのよ~。
こうみえて私達と同じAクラス。出来る男なのよ~。少し歪んだ性格だけれどっ。
ウフフッこの張りつけたような笑顔が、素敵でしょ~?」
トランブルは、三日月型に細められた目を少し開け、ジーザスをチラリと見たが、すぐにリルネットの方に視線を向きなおす。
「いやはや、それにしても何というお美しいお二方なのでしょう。
まるで神が描いた絵画から出てこられたような……。
まごうことなき美しさですね。いやはや、お似合いでございます。
…では、お二方でじっくりとご覧くださいませ。」
ネイクはコクりと頷くと
「リルネット一緒に見よう。」
ネイクは美しく微笑み、リルネットの白く滑らかな手を取り、リルネットの温かな手の感触を確認した。
部屋には、ソードンが用意したアクセサリーを中心とした品物がずらりと並んでいた。
殆どは紫色の宝石であった。
リルネットはネイクと次々に品物を見ていく。
パープルダイヤモンド。パープルサファイヤ。パープリッシュレッドルビー。紫色のオパール。紫色のトパーズ。アメジストなどなど。
様々な紫色の宝石のアクセサリーが、並んでいるのだ。
ルイジアは、あんぐりしながら、よくもぁこんなに集めたものだと、感心するやら呆れるやら、という気持ちになっていた。
……2人で一つずつアクセサリーを見る。
「フフッリルネット。これなんてどうだい?」
ネックレスやら、ブレスレットを指差す。
ネイクが低く甘やかな声で話す。
その度にリルネットの耳にネイクの息が掛かるのだ。
最近はネイクがリルネットの体の一つ一つを丁寧に扱い、触れるため、リルネットは今までに感じたことがない感覚を感じているのであった。
特に耳はネイクに少しでも触れられると力が抜けそうになる。
リルネットの顔はほの紅く染まっていたが、いつものように可憐な笑顔を浮かべた。
ネイクの綺麗な銀色の髪の毛はきとんと耳にかけられている。それをチラリと見るのであった。
ネイクの綺麗なカーブの耳……それをこの数日間の間で何度か触れた。
手で触れたり、時には唇で触れた。
ネイクの耳に触れた時、ネイクはどんな気持ちになっているのだろうか……。
…ふと、リルネットの目に一つのブレスレットが目に入った。
このくらいのブレスレットならば、在校中でも華美になりすぎず邪魔にならなさそうである。
離宮にいる時も、学校にいる時も、ずっと身に付けてくれるのを想像すると少し心が弾むのを感じた。
リルネットは細いプラチナの先に淡い紫色の宝石が嵌め込まれたブレスレットを指差し、試着してもいいか確認し了承を得た。
「いやはや、流石はリルネット様。非常にお目が高いですね。こちらは大変希少な紫色のダイヤモンドでございます。また、こちらのプラチナも最高品質でございます。」
「リルネット。これが気になるのかい?
これは!リルネットの瞳の色にそっくりな綺麗なダイヤモンドだね。僕がつけてあげるね…?」
……いつもはにこりと微笑むリルネットだったが、今回は何故か首を横に振った。
そして、その綺麗なブレスレットを手に取ると、ネイクのリルネットよりも大きな手を取り、精悍な手首に着けた。
ネイクの細いが逞しい手首に、細目のプラチナのブレスレットはとても似合っていた。
制服にもよく似合っていた。
リルネットは、いつものように美しく微笑んだ。
そして……そっとネイクの手の甲に柔らかな唇を押し当てるのであった。
──熱く、続く──
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