表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
某年1月2日。晴。  作者: あみれん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
5/10

その5

Kは座ると、私のウーロンハイを見るなり、


「お、Hちゃん、もう呑んでたんだ」

(Hとは、私のことです)


そう言うと、テーブルのベルを押し、メニューを開きました。


――いきなり“ちゃん”付けかよ。まだ会ったのは二回目だぜ。


この時の私は、メニューに目をやるKを睨みつけていたと思います。

店のスタッフがテーブルに来ると、


「ナマね、ツマミは今決めてる」


そう言って、再びメニューをじっくりと見始めました。

スタッフは「はい」と言ってテーブルを離れます。


私の場合、居酒屋で最初に頼むツマミは決まっているので、メニューを見ることはありません。

いつも、枝豆、冷奴、焼き鳥(だいたい、皮とネギ間)です。

どの居酒屋にも、たいていあるツマミです。

やがて、店のスタッフがジョッキの生ビールを持って来ました。


「ご注文、お決まりでしょうか?」


Kはメニューに目をやったままなので、私が注文します。


「枝豆と冷奴、焼き鳥の皮とネギ間一本ずつ、お願いします」


Kはメニューに目をやったまま、


「ん〜、チャーハン、トンカツ……以上」


そう言って、メニューをパタンと閉じました。

そして、ジョッキを持ち上げ、


「とりあえず、お疲れ様っつーことで」


そう言ってジョッキを私の顔の前に突き出します。

私はウーロンハイのグラスをジョッキに重ね、


「お疲れ様」


と言いました。

Kはグビグビと生ビールを飲み始めました。


――チャーハンにトンカツって、何でいきなり、すぐに来そうもないモン頼むんだ、コイツは?


やっぱ違う。コイツは違う……。

胸の奥に燻っているあの感覚が、一気に喉元まで込み上げて来るようでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ