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某年1月2日。晴。  作者: あみれん


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24/34

その24

デスクの上で携帯の着信バイブが響きました。

ディスプレイにはKの名前です。


私は携帯を手にすると、急ぎ足でオフィス・ルームを出ます。

これまで、平日の仕事中の時間帯にKから着信があったことはなかったのです。


胸の辺りにイヤな騒めきが走ります。


給湯室には誰もいません。

私は給湯室に入ると、受信ボタンを押します。


「オレ」


Kの声です。


「こんな時間にどう…」


「Sが死んだ」


「……」


「意味……分かるよな」


「……」


「通夜は明日で、葬儀は明後日だ。Hちゃん、来れるか?」


「......明日は行けない、ゴメン、でも、明後日は大丈夫だ……」


Kと私は、明後日の葬儀に一緒に出席するために、待ち合わせ場所と時間を決めて電話を切りました。


私は、給湯室の中で動くことができませんでした。

手が震えていました。


押し殺すように、ずっと考えないようにしていたこと——

起こりそうで、でも絶対に起こって欲しくないこと——

でも、心のどこかでほんの少しだけ覚悟していたこと——


とうとう、起きてしまったのでした。


ある土曜日の午後、突然私を訪ねてきたSはパジェロの運転席でサングラスを掛けて、ハンバーガーを食べていました。

それが、私が最後に見たSでした。

そして、その後、KからSの状態を聞いた時から、私はSを意識的に避けていました。


もし――

いや、考えても仕方ない。


私はゆっくりと、オフィス・ルームに戻っていきます。

今、自分がどんな表情をしているのか、分かりません。

「明日は行けない」と言ったことを後悔し始めていました。


オフィス・ルームのドアを開け、室内に入ります。


いつもの景色、いつもの音。

私のいない私の席を……見つめます。


明日……休もうか……

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