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某年1月2日。晴。  作者: あみれん


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18/23

その18

バンド活動を再開して一年。


その間にSは結婚し、私は回数こそ減ったものの、相変わらずKとよく飲んでいました。


流石に美人局の一件で懲りたのか、Kは大人しくしているようでしたが、Sの様子に少し変化がありました。


よくバンドの練習に遅れて来るようになったのです。

遅れて来て、悪びれる様子もなく、謝りもせず、何も無かったように練習に加わり、いつものように笑顔で会話をします。

私はそれに少し違和感を感じていましたが、結婚もしたことだし、忙しくなったのだろう、とさほど気にしていませんでした。


ところが、十五分の遅刻が三十分になり、一時間。

一時間半。

そしてついに、全く姿を見せなくなったのです。


Kも私も、流石にこれはオカシイということになり、バンド活動を休止します。

ですが、私はSの様子を探るようなことはしませんでした。

Sから連絡があるまで放っておくことにしたのです。


それから数ヶ月が経ったある土曜日の午後。

Sから電話がありました。

電話に出ると「近くにいる」と言います。

当時、私は四階建ての賃貸住宅の四階に住んでいました。


ドアを開け外廊下に出ると、階下のこの集合住宅の駐車場に、エンジンをかけたままのパジェロが止まっているのが見えました。

Sの車です。


Sの車まで外階段で降りて行きます。

駐車場まで降りると、車の窓から腕が伸びて、私に向かって手を振り始めました。

私はパジェロに近寄り、運転席を覗きます。


Sはサングラスを掛けて、ハンバーガーを食べていました。


「よう!」


いつもの陽気なSの声です。


「おう」

「突然悪いね」

「ん?なんかあった?」

「いや…」


それからSは無言でハンバーガーを食べ続け、時折シェイクのストローを啜ります。

Sは私を見ていません。

私はSを見ていました。


Sはハンバーガーを食べ終えると「また来るよ」とだけ言って、車を動かして駐車場から出て行きました。


私はその場でKに電話をし、Sの様子を伝えました。


「お前んとこにも行ったか…」

「…どういうこと?」

「今日、会えねぇか?」


その日の夕暮れ時、私はKの地元にある居酒屋に向かいます。

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