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某年1月2日。晴。  作者: あみれん


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17/23

その17

現在――


気がつけば、Kの顔に深い影が降りていました。

私は部屋の照明をつけます。


「そうだ、子供たちに写メしようかな、お前の。アイツら驚くぜ。なにせ二十年ぶりだもんな」


Kは、ヒャヒャヒャ、と笑います。


「二人とも元気なんだろ?」


「うん」


私がスマホをKに向けると、Kは黙って笑顔でピースサインを作りました。

Kは写真に撮られながら、話し出します。


「写真と言えばさ、S、アイツはいっつもカメラを持ち歩いて、よく写真撮ってたよな。オレらがスタジオに入っている時でさえ、演奏の合間にカシャカシャやってたっけな」


「うん……」


Kはパイプ椅子に座り直し、腕を組んで、すっかり日の暮れた窓の外に目を向け、呟くように言葉を漏らします。


「Sかぁ……」


私の口からも、言葉がこぼれます。


「あのさ」


Kは私の顔を見ます。


「あの、信じないかも知れないけど、Sが来たんだよ」


「あぁ? いつの話?」


「二年くらい前」


Kは顔を一瞬歪めると、ヒャヒャヒャ、と笑い出しました。


「おん前っ、何言ってんだよ、二年前って!」


Kは咽せ始め、お茶を飲みます。


「だから言ったじゃん、信じないかも知れないけどって」


「あぁ? 何それ、どういうこと?」


私もお茶を飲みます。


「Sがさぁ、オレが寝ている時に、上から覆い被さって来てさ、耳元でオレの名前を何度も囁くんだよ」


Kの顔は、もう笑っていませんでした。

そして、私の顔をじっと見つめて言いました。


「ははぁ〜、そりゃぁ、お前に会いに来たんだよ」


あの時――


そう、あの時バンド再開を決めたあたりから、私達の物語は少しずつ、そして更に予期せぬ方向に動いて行くのです。

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