その11
高校時代の友人S、その友人で、今は私の飲み友でもあるK、そして私の三人で始めたバンドは、定期的な練習を重ね、やがて初ライブを敢行します。
自分達で三百人ほど収容できる会場を借り、機材を手配し、もちろん入場無料で、それぞれが知り合いを招きました。
満席とまではいきませんでしたが、そこそこの入りでした。
海外ロックのカバー七曲、オリジナル三曲、約一時間のライブ。
演奏の出来はというと、私の感覚では一〇点満点で六点。
減点要因は、主に私のギターでした。
ライブでは、買ったばかりのテレキャスターを弾いたんですね。
これがアカンかったのです。
特にロックのカバー曲では、テレキャスターの音は細すぎました。
私もそれは事前に分かっていましたし、他の二人も不満そうなのは感じていました。
でも、どうしても弾きたかった。
エフェクターで何とかなるだろう、と……。
ダメでした。
特に、BBAの《Superstition》のカバー。
他の二人の演奏は素晴らしかったです。
とりわけ、パワーヒッターであるKのドラミングは、本家カーマイン・アピスばりの圧巻の演奏でした。
それに比べ、私のギターは、ジェフ・ベックからチョーパンを食らいそうなくらい、か細い音になってしまったのです。
練習の時は、そこまで酷いとは思わなかったのですが。
とにかく、無事に初ライブも終わり、バンドの練習はしばらくお休みになりました。
私とKは相変わらずよく一緒に飲み、Sは彼女と蜜月の時間を過ごしていました。
そして、ある事件が起きます。
私の中で燻り続けていた、あの「いや~な感じ」が、ついに具現化されるのです。




