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その10
現在。
某年1月2日。晴。
私の部屋。
テーブルを挟んで、私の前にはパイプ椅子に座ったKがいます。
ノックの音。
「はいよ〜」
私が応えると、マグカップを二つトレイに乗せた妻が入って来ました。
妻はKを見るなり、笑顔で声を荒げます。
「うわぁ~、ホントKさんだ!」
Kは照れくさそうに応えます。
「お〜、Tちゃん、久しぶり!」
(Tちゃんとは私の妻です)
「心配してたんだよ。でも生きてて良かったぁ!」
「まあね、ひゃひゃひゃッ!」
私は、Kが「まあね」といった時に見せた、一瞬だけ少し動揺したような表情と、その後のそれを誤魔化すような不自然な笑いに違和感を感じていました。
いや、違和感というより、Kと会った当初に感じた「あのいや~な感じ」が少し蘇ります。
「今日は泊まっていってね。焼酎でよかったよね。じゃ、後でね」
妻はマグカップをテーブルに置くと、部屋を出て行きました。
私は思っていました。
ーーコイツ、今は生活保護を受けているなんて言ってたけど、この20年の間に何かやりやがったな...
後に、私のこのいや~な直感は当たることになります。
しかも、私の想像を遥かに超えた形で。
ですが、その話に進む前に、もう少しKとの過去をお話しさせてください。




