第四十九話 再会
暗い闇の中、光の聖女は蹲っていた。
ここがどこなのか分からず、ただ泣くことしかできなかったアリス。
寂しいという孤独感に襲われながら、彼女は大切な人の名を呼ぶ。
「蒼」
金髪の少女は愛する人に会いたいと願う。
その時、アリスの目の前になにかが現れる。
「え?」
現れたのは、氷でできた美しい兎。
アリスは呆然とした顔で目をパチパチと瞬きする。
「兎…さん?」
氷の兎は自分の頭をアリスの脚に擦りつける。
懐いているように見える氷兎。
そんな兎の頭をアリスは優しく撫でた。
「冷たくて……気持ちいい」
わずかに頬を緩めるアリス。
心が癒されたからか、彼女の涙がいつのまにか止まっていた。
それを見て氷の兎はぴょんぴょんと跳んで少し走り、立ち止まる。
振り向き、ジーとアリスを見つめた氷兎。
「ついてきてってこと?」
アリスは立ち上がり、氷の兎の所に向かって走る。
氷の兎はまた走り、前へ前へと進む。
それから氷兎の後を追いかけていたアリスは、あるものを見つける。
「これって……氷の扉?」
そこにあったのは、氷でできた美しい扉。
暗い闇の中、その扉は水色に輝いており、アリスの寂しさや孤独感を消し去っていく。
優しい光を放つ扉のドアノブを掴み、アリスは開ける。
直後、彼女の意識が白く染まった。
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気が付くと、アリスの瞳に少女の顔が映り込んだ。
ポニーテイルに結ばれた水色の髪と水色の瞳。
まるで氷の女王のような彼女は、優しく微笑んでいる。
「アリス……迎えに来たわ」
「あ…おい?」
アリスは自分の声がうわずったのを感じた。
それぐらい驚きを隠せないでいたのだ。
「私……夢を見ているのかな。蒼と離れて、変な機械に閉じ込められて、それから……それから……」
「夢なんかじゃないわ」
蒼は優しくアリスの頬を手で撫でた。
「あなたを閉じ込めた機械の棺は壊したわ。そしてあなたを助けたの」
「助けて……くれたの?」
「ええ」
蒼は自分の額をアリスの額にコツンとぶつける。
「何度でも助ける。何度でもあなたを守る。これからずっと……ずっとね」
「あお……い!」
声を震わせ、アリスは嗚咽を漏らす。
胸の奥から温かいものがこみ上がるのを感じたアリスは、涙と鼻水を流す。
そんな彼女を蒼は微笑みながら抱き締めた。
「おかえり……私の聖女様」
「ただいま……私の氷の兎さん!」




