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氷光恋愛  作者: グレンリアスター
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第三十六話 約束

「う……うぅ……」


 アリスはポロポロと涙を流す。

 自分の過去を全て話した光の聖女。

 彼女はただ俯いて泣くことしかできなかった。


(どうしよう……蒼の顔が見れない)


 全てを話し、それを聞いた蒼がどんな顔をしているのか、アリスにはわからなかった。

 ただ怖いという感情が彼女の胸の中で宿る。

 化け物を見るような目で自分を見ているのではないか?

 そんな不安しかなかった。


「アリス」


 名を呼ばれたアリスは肩をビクッと震わせる。

 アリスがゆっくりと顔を上げようとした時、


「辛かったわね」


 蒼は優しくアリスを抱き締めた。

 呆然とするアリスの頭を蒼は優しく撫でる。


「蒼は……怖くないの?私のこと」

「怖い?なんでよ……あなたのような優しくて、明るくて、元気な……ただの女の子を怖がるわけないわ」

「……いいの?これからも一緒にいて」

「いいに決まっているじゃない。ダメな理由がないわ」


 そう言って蒼は自分の小指とアリスの小指で指切りげんまんをする。


「約束するわ。私があなたを……必ず守る」


 真っすぐな目で見つめてくる蒼。

 アリスは胸が苦しくなるのと同時に、温かくなるのを感じた。

 片手で胸を押さえながら、彼女は涙を零す。


「あ…おい……」


 アリスはズズーと鼻水をすすり、微笑みを浮かべて「うん」と頷く。


「ありがとう、蒼!」


 アリスは忘れない。

 例え全ての記憶を失っても、蒼との時間だけは失わない。

 そう誓った。

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