第十九話 初討伐
依頼場所にやってきたアリスは緊張した様子で、背中に背負っていた弓を手に取って構える。
少し離れたところにいた蒼は腕を組みながら、アリスを見守っていた。
(アリスは剣や銃などはうまく使えなかった。だけど弓に関しては私以上の才能がある。少なくともEランクのモンスターぐらいなら倒せるはず)
蒼は知っている。
ずっと見てきたから、わかるのだ。
アリスはEランクモンスターなら倒せると。
「来た」
腰につけていた矢筒から矢を取り出したアリスは、弓に装填する。
彼女の視線の先にいたのは、三匹のモンスター。
一つ目をギョロギョロと動かし、鋭い歯が並んだ口を歪める大型犬のモンスターたち。
奴らはアリスを視認した瞬間、一斉に駆け出す。
「行くよ!」
気合を込めた声を出したアリスは矢を放つ。
アリスが放った矢は見事に一匹の大型犬モンスターの頭に突き刺さった。
残るは二匹。
「「グアッ!」」
二匹の犬系モンスターは口を大きく開けて、アリスに噛みつこうとする。
迫りくる噛みつき攻撃を、アリスは跳躍して回避。
そして、背を向けて逃げ出す。
二匹のモンスターはそんな彼女を追いかける。
「はぁはぁ!」
少し走っただけで荒い息を漏らすアリスは、廃車の影に隠れる。
呼吸を整え、弓に矢を装填。
直後、廃車の上に飛び乗った犬系モンスターの一匹がアリスに襲い掛かる。
「えい!」
振り返ったアリスは矢を放ち、犬系モンスターの頭を撃ち抜く。
残った一匹は尻もちをついた彼女に向かって、鋭い爪を振り下ろす。
爪撃はアリスの弓を切り刻む。
「グアアアアアアアアア!」
犬系モンスターは雄叫びを上げて、アリスに襲い掛かった。
アリスは腰からナイフを抜き、勇気を出して駆け出す。
「やああああああああああああああ!」と気合の声を上げ、ナイフを振るう。
鋭い斬撃はモンスターの首を斬り裂く。
赤い血が飛び散り、犬系モンスターは地面に倒れる。
ギリギリではあるがなんとかモンスターを倒したアリスを見て、蒼はホッと安堵の息を吐く。
(まったく……ひやひやする戦いだったわね。でも……なんとか倒せたわ。とはいえアリスはあまり戦うのは得意ではないみたいね。これからは基礎を重点的に鍛えて、それから少し応用を教えて……)
アリスのこれからも考えて、蒼はトレーニングメニューを考えた。




