第十三話 依頼
「—――という感じです」
「なるほど……わかった!」
受付嬢からハンターのルールを聞いたアリスは、笑顔を浮かべながら可愛らしく敬礼する。
「私はEランクっていうところからスタートして、簡単な依頼しかできない。いくつかの依頼達成条件を満たせば、ランクを上げられる」
「そうです」
「依頼が失敗した場合、罰金を支払わないといけない……だよね!」
「要約するとそうですね」
「教えてくれてありがとう、受付嬢のお姉さん!」
ニコッと笑いながらお礼を言うアリス。
まるで光の聖女の如き眩しさ。
嬉しかったのか、受付嬢は微笑みを浮かべた。
「ハンター登録もしたし、次は依頼を探すわよ」
「うん。わかったよ、蒼」
受付嬢にバイバイ!と手を振りながら、アリスは歩く蒼の後を追いかけた。
彼女達が向かうのは、無数の紙が貼られた壁。
壁に貼られた紙には『モンスター討伐』『とある地域の調査』などが書かれていた。
「これは?」
「Eランクハンター専用の依頼書がある場所。これならアリスでも受けられるわ。初めての依頼だから……これなんてどうかしら?」
壁に貼られた一枚を手に取った蒼は、アリスに渡す。
紙に書かれていたのは、『ヒールフラワーとヒールドングリの採取』だ。
「『ヒールフラワー』と『ヒールドングリ』。どちらも回復促進の効果があって、薬の材料になるわ」
「へぇ~……こんなのあるんだ」
「昔はなかったわ。だけどバーサーカー・ウイルスによって生まれたの」
「バーサーカー・ウイルスも悪いばかりじゃないんだね」
「九割は悪いことばかりよ」
「私、この依頼を受ける!」
アリスは拳を胸の前でギュッと握り締め、やる気に満ちた目で蒼を見つめる。
「がんばるよ!」
「そ……まぁ、頑張りなさい」
誰に対しても冷たく、氷の女王のような少女—――凍冷蒼。
そんな彼女は、どこか柔らかかった。




