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第十一話 装備

 アリスと共に暮らし始めて、一週間が過ぎた。

 蒼の努力のおかげでアリスはひらがなだけでは文字を覚え、簡単な運動や掃除などできるようになったのだ。

 結果、蒼は疲れ果てたが。


<><><><>


「アリス……仕事に行くわよ」


 生活にも慣れてきたアリスに、蒼は仕事を教えることにした。

 まずいサンドイッチを食べていたアリスは首を傾げる。


「どんな仕事?」

「ハンターのよ。ハンターのことは知っているでしょ?」

「うん。前に聞いた。確か……モンスターと戦う仕事だっけ?」

「そ。まぁ……アリスは戦闘をするにはまだ早いから、とりあえず採取系の依頼ね。戦うだけが仕事じゃないから、アリスに合った仕事もきっとあるわ」

「うん!頑張るよ!」


 アリスはやる気に満ちた顔で拳を作った。

 そんな彼女に蒼は棚から取り出した黒いボディースーツとガスマスクを渡した。

 ボディースーツとガスマスクを受け取ったアリスは、目をパチパチと瞬きさせる。


「これは?」

「モンスターの筋肉で作った戦闘服と汚染地域で活動できるガスマスク。昔、私が使ってたものよ。モンスターがいる外で仕事をするんだから、この二つは必ずちゃんと装備しないと」

「わかった」


<><><><>


 二分後、蒼はため息を吐きながら額に手を当てる。

 現在、アリスはボディースーツに絡まって変なポーズになり、ガスマスクを頭につけていた。

 なんでこうなるのよと蒼は、眉をピクピクと痙攣させる。


「蒼……助けて」

「しょうがないわね。ついでに私が着させてあげるわ」


 またため息を吐いた蒼はアリスを助け、戦闘服とガスマスクを装備させた。

 ボディースーツを身に纏い、口元をガスマスクで覆った金髪少女は大きな自分の胸を触る。

 

「……胸が苦しい」

「それ喧嘩を売ってる?私に戦争を申し込んでいるという意味でいいのかしら?」


 目を鋭くし、額にビキビキと青筋を浮かべる蒼。

 そんな彼女を見て、アリスは可愛らしく首を傾げる。


「喧嘩は売ってないよ?ただ本当に胸がきついから、蒼の胸は小さいんだなと思ったの」

「……」


 さらに額に青筋を浮かべた蒼は、無言のままアリスの頬を引っ張った。


「痛い痛い!なにするの!?」

「……」

「なにか喋ってよ!?」


<><><><>


 数分後、機械仕掛けの鎧とガスマスクを装備した蒼は、大型トラックの運転席に乗った。

 助手席に座っていたアリスは、蒼に引っ張られた自分の頬を手でさする。


「アリス……これからハンター登録をして、簡単な依頼を受けるわ」

「うん。わかった」

「それと……ハンターに必要なことはなんなのか教えてあげる」

「なに?」


 興味津々な顔でアリスは問う。


「常に冷静に考えられる思考力。依頼を完璧に達成させる行動力。そして必ず間違えない判断力よ」


 冷たい声でそう言った蒼は、大型トラックのエンジンをかけた。

 ブオオオオオオオオオオオオン!というエンジン音が鳴り響く。

 サイドブレーキを外し、チェンジレバーをDにした彼女はアクセルを踏む。

 大型トラックはハンター協会に向かって走り出した。

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