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47.次の目的地は

 私たちはギガンモーレイの巣に来たルートを逆方面に、そして同じようにエッフーシュカから逃げながら、エッフーシュカを昇天させながら森の中を進んでいき、リリスキジカゾーンを抜けた。

 抜ける直前、マルセルがリリスキジカの花をいくつか切って自分のマジックバッグにしまった。そして私たちにもいくつか渡して、


「空間収納にしまっておいたらいい。お小遣い程度にはなる」


「分かった」


 私と遥は空間収納にしまった。

 リリスキジカの花を渡されて困ったヤニックが私に、


「すみません、僕の分もよろしくお願いします」


 と言ってきたので、私は快くヤニックの分も空間収納にしまった。

 私たちはその後、蛇や虫のゾーンに入り、車を降りた場所まで辿り着いた。


「抜けたー!」


 遥は嬉しそうに両手を空に向けて伸ばす。


「僕、全然役に立てなかったです」


 ヤニックがしょんぼりした顔で言う。

 それを聞いてアルノルドがフォローする。


「今回は土魔法が役立つ現場ではなかったですからね。でも土魔法向きの仕事もあるので、その時に活躍でできればいいんですよ」


 続いてマルセルもフォローを入れる。


「ヤニックがいなければ、夏子が回復魔法を会得する機会はもっと遅かったかもしれない」


 私はマルセルのフォローに重ねるように、


「そうだよ。ありがとう、ヤニック」


 ヤニックはフォローされていることを理解したようで、更に申し訳なさそうな顔をした。 


「反省会よりも前に、まずは綺麗にしよう!」


 遥のはそう言って浄化魔法で自分の頭や体、服を隅から隅まで綺麗にしていく。

 私とヤニックとアルノルドも同様に浄化魔法を使って綺麗にする。


「終わったら、俺のことも綺麗にしてほしい」


 マルセルが私たちを見て懇願するように言う。

 私たちは一通り綺麗にした後、一斉にマルセルを浄化魔法で綺麗にしていく。4人がかりなのであっという間に綺麗になった。


「魔法でスッキリはするけど、お風呂に入りたいなあ」


 私がぽろっと言うと、遥も「私もー!」と同意してきた。


「では、このまま温泉に行きますか?」


 アルノルドが訊いてきた。

 この世界にはお風呂という概念はないと思い込んでいたけれど、


「温泉あるんですか?」


「ありますよ。仕事も想像以上に早く片付いたので行っても良いかもしれませんね。早く首都シャルタルに戻って報酬を受け取って、それから行くという形でも良いかもしれませんが」


「気分的にはこのまま行きたい」


 私がそう言うと、遥も同意すると言わんばかりに首をブンブンと縦に振った。


「幸い粘液もリリスキジカも空間収納の中で劣化はしませんし、寄り道も良いかもしれませんね」


 するとヤニックがアルノルドに訊いた。


「そこってルシュダールですか?」


 アルノルドは「そうです」と答えた。


「話には聞いたことがあって、一度行ってみたかったんですよ」


 ヤニックの反応に期待感が膨らむ。


「有名なの?」


 遥が聞くとアルノルドが答える。


「観光地って感じですね。首都シャルタルよりはこじんまりしてますが、そこそこお店があります」


「え~、楽しそう!」


 アルノルドは両手を握る様にパンッと合わせた。


「では行きましょうか?」


 そう言うアルノルドに対して、マルセルが突っ込むように疑問を投げた。


「おいおい、いいのか? 今からルシュダールに行ったら、今日はそこに泊まることになるぞ」


 その疑問に対して、アルノルドはニコニコと笑って答える。


「そうですね」


「そうですねって、アンタはギルマスだぞ。二日間もギルドを留守にしていいのか?」


「問題ないです。そもそも今日は一泊野宿の予定でしたから、スタッフにもそう伝えてあります」


 アルノルドはさらっと言ったけれど、野宿は初耳だった。

 私はマルセルに、


「野宿の可能性なんて一言も聞いてなかったけど?」


 するとマルセルは特に悪びれる様子もなく、


「俺は野宿なんてするつもりなかったからな。日帰りのつもりだったよ。実際日帰りになりそうだろ?」


「…確かに」


 マルセルの読みは正確だったと言える。しかし、温泉地が気になる。私はアルノルドに確認した。


「ルシュダールに宿屋はあるんですか?」


「ありますよ、当然。観光地ですから」


 マルセルは乗り気ではない顔をしたけれど、その他4人の意志が強く、私たちは温泉に向かうことになった。

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