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魔王さま、その椅子は粗大ゴミです。
木曜日
魔王さまは、合格の連絡をもらったぞと嬉しそうに報告に来た。
「よかったですね」と私は、少し微笑む。
「で、そろそろ征服計画を準備しようと思う。」
腕を組み私に真剣に伝えた魔王さま。
忘れていると思っていた私は、「…覚えていたんですね」とぽつりと呟く。
後ろから鈴木課長が、声をかける。
「魔王さま、おめでとうございます。」
「当たり前だろう。」と嬉しそうだ。
「侵略のお話の前に…魔王さま、マンションの共用部分はおわかりですか」
「共…用?」
「みんなが使う廊下などですね。」
魔王さまは、「それならわかるぞ」と嬉しそうだ。
「では、廊下にある椅子はなんですか」
「玉座だ!」
誇らしげに言い切る魔王さま。
問題があるかと言わんばかりに魔王さまは、不思議そうな顔をする。
「魔王さま、申込ゴミはまずこちらに電話してくださいね。」
私は、ゴミの説明をする。
「いや、ゴミでは…」
「ゴミですよね」
「ですね。」
鈴木課長も、穏やかに頷いた。




