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八尾さん、食べ放題です。
魔王さまは、倒れているアシュベルもとい佐藤さんを、また俵のように持ち上げた。
「八尾、せっかく会えたがアシュベルがしんどそうだ」
悪いな。と一言で去っていった。
ぎゃぁぁぁと叫ぶ佐藤さんの声は、聞かなかったことにしよう。
わたしは、待ち合わせに向かった。
「八尾先輩。お待たせしました。」
沙也加ちゃんが走ってくる。
息を切らせながら、すみませんと謝っていた。
時間ピッタリだよと沙也加ちゃんを安心させた。
「今日は魔界ホテルの食べ放題ですね」
楽しみですねと沙也加ちゃんの声が浮かれている。
「でも、魔界の料理ってどんな感じなのかな。」
「あー………スパイダーのしゃぶしゃぶとか、蟹っぽくて美味しいですよ。」
あとはーと説明する沙也加ちゃん。
「沙也加ちゃん、詳しいね。」
食べたことあるんだと感心していた。
「あ、いや、その……なんとなく、です!」
……なんとなく、ではない気がする。
こうして、八尾の休日は過ぎていく。




