勇者さま、単独討伐できません。
4番窓口で、手数料が必要らしい。
「HeyHey払いはーー」
「こちらは、HeyHey払いできません。」
受付の女性は淡々と答える。
勇者は、財布の中身を見る。
ーー残高、160円。
「足りない。」
「魔王を倒した後払ったやる」
「それでは免許の交付できませんね。」
にこりと笑う受付。
後ろから笑い声が聞こえる。
「ゆ、勇者ちゃん…お金…」
お腹痛いわぁと中村が笑っている。
恥ずかしそうにしている勇者に、中村が受付へ300円を渡す。
「これ、手数料ね」
ありがとうございます。と受付の女性は処理をする。
「中村…」
勇者が中村に感謝を伝えようとするが
「お礼なんてやめてよぉ。私たち衣食住を共にした仲間じゃなぁい。」
「中村さんの恋人ですか!」
受付の女性も、驚きの声をあげる。
違うと勇者が慌てるので、余計に怪しまれる。
その隣で中村は、クネクネしなが勇者に近づく。
収拾がつかない。
ようやく誤解も解け、受付の女性は淡々と作業する。
「では、勇者さま、まずは仮免許です。」
「仮?」
「単独での討伐は禁止です。」
受付の机を、バンッと叩く。
「俺はどうやって討伐をー」
「討伐免許をお持ちの方同伴でお願いします。」
勇者は、項垂れる。
「………いない。」
「わたしが居るじゃなぁい」
勇者の腕に絡みつく中村。
そしてまた、免許センターの受付の女性達はキャーと騒がしくなる。




