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魔王さま、住所が存在しません。
魔界課
「エルよ、証明写真も撮って来てやったぞ」
褒めてほしそうにエルの前に座る
「では、最後にご住所の記入をお願いいたします」
「住所か。問題ない」
魔王さまは迷いなくペンを取る。
――魔王城
エルは淡々と続ける。
「市区町村、番地、建物名までご記入ください」
「だから、魔王城だ」
「それでは登録できませんね」
魔王さまは、沈黙。
そして、そこで気がつくのだ。
「我の城は、もしかして…」
「存在しませんね」
エルの容赦のない一言に、魔王さまは静かに項垂れた。
鈴木課長は、魔王さまの背中に手を置き一言。
「では、まずは居住地の登録からですね。」
「また登録か…」
「あと、書類はボールペンで記入お願いいたします。」




