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魔王さま、威厳は写真に映りません。

魔界課



「では、本人確認書類の発行手続きを行います」


「……我が、証明される側になるとはな」


案内のため、エルは立ち上がろうとした時、課長が後ろに現れエルを止めた。

「エルさん、証明写真はわたしが案内しますよ」

微笑みながら、課長はエルにゆっくりするよう促す。


「では、証明写真室までご案内しますね」


証明写真室


「では、こちらで顔写真を撮影します」


「角はそのままでよいのか」


「規格内であれば問題ありません」


カメラを向けられ、魔王さまは腕を組む。


「我が威厳、しかと映すがいい」



――バシャッ


出来上がった写真を見て、魔王さまは固まる。


「……なんだこれは」


そこに写っていたのは、無表情で真正面を向いた男だった。


「もう一度…」

「ありがとうございました。次の方ー。どうぞー。」


撮り直しを要求したが、そのまままた受付に行くのだった。


「…威厳とは」

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