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「――――美咲ちゃん!」
「雅さっ!?」
突然抱きしめられ驚いたものの、雅さんが動けることにほっとしていた。
「ホントごめん! こんな痛い思いさせて……」
「もう、大丈夫だから。雅さんは……知ってたの?」
「話には聞いてた。でも、ここまで酷いなんて」
抱き留めた腕を緩めると、雅さんは優しく、私の左手を取った。
「っ、ぁた!」
「あっ、ごめん。――これって?」
雅さんの視線が、指輪に集中する。
色のことを気にしているのかと聞けば、同じことを考えていた。やっぱり、指輪の色は変わっているらしい。
「何か、意味があるの?」
「多分、リヒトさんならわかると思う。戻って聞いてみよう」
「はい。―――あっ」
再び歩き出そうとした時、体から力が抜ける。それに雅さんは、倒れないようすかさず支えてくれた。
「ごめんなさい……。雅さんだってキツいのに」
「オレは平気。抱えるけど、もちろんいいよね?」
その言葉に、私は頷いて答えた。抱えられると、温かさのせいか次第に、眠気に襲われ始めた。
「眠いなら、寝てもいいからね」
「そんな……悪いよ」
「遠慮なんてイイからねぇ~」
やわらかい笑みを浮かべながら、雅さんは優しく、額に唇を落とした。
いつもなら言い返してるけど、慣れちゃったのかな。今はこうやって触れられるのも、悪くないように思えた。
「――嫌がらないんだね?」
不思議そうに、雅さんは私を見る。
別に、普段も嫌なわけじゃない。ただ恥ずかしくて、そういうことは恋人にするものだと思うから嫌なだけで……。
だけど、これを言うと余計にスキンシップが増しそうなので、それは心の中に留めておくことにした。
「たまには……そんな時もあるんです」
そう言い、私は雅さんから顔を背けていた。
「――どうでした?」
心配そうに訊ねる先生に、私は自分が体験したことを話した。すると私の左手を取り、すみません……と、深く謝った。
「一先ずこれを」
ハンカチを取り出すと、先生はそれを手に巻いてくれた。
「指輪のことですが……」
巻き終わると、先生は真剣な面持ちで話を切り出す。
「命華には、色によってその力が異なります。白は医者、黄色は花作りです」
言われて、私は指輪を見た。でも、自分はどちらの色でもない。
「赤色は、何になるんですか?」
その言葉に、先生は言葉を詰まらせた。どこか困ったような表情を浮かべると、軽くため息をついた。




