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美咲ちゃんから、意外な提案をされた。
他のヤツに触れられたのが憎い。上書きしたいって正直に言えば、口付けなら大丈夫だと言われた。
「体はまだ怖いというか、ここだと、おじいさんや蓮華さんもいるので」
いつかその時がくれば、とそんなことを言われてしまった。
思わず、間の抜けた声が出る。そんなオレに、美咲ちゃんの両手がオレの頬を包む。そして――。
「口を――開けて下さい」
疑問の声をもらせば、それを飲みこむようなキスをされた。口内に舌が侵入し、オレの舌先に触れる。ほんの数秒。それだけで、オレの頭の中は真っ白になった。
「うまく出来たかわかりませんが……どう、ですか?」
聞かれて、ようやく意識がハッキリした。
途端、オレは美咲ちゃんを押し倒していた。
「オレからしても――構わない?」
今度は自分からしたくて堪らない。そう告げれば、小さくだが頷いてくれた。
出来るだけ優しくしたいとこだけど……自分でも理性が保てるかわからない。
「イヤになったら、オレの胸を叩いてね」
一応、保険をかけておこう。ホントに嫌がってたらしたくないからね。
頷いたのを確認すると、ゆっくり顔を近づけ――まずは、触れるだけのキスを。一度唇を離し、またキスをする。今度はもっと深く、さっきされたのよりも深いキスを。口内で舌が絡まり、思わず体が震えた。息を吸う為、一度唇を離す。すると――。
「――おわり、ですか?」
潤んだ瞳の美咲ちゃんが、オレを見つめていた。
そんな姿を見てしまえば、これで終わりになんて出来やしない。
今度のキスは啄むように。そしてまた、舌を絡める深いキス。
「――んんっ。み…やっ、び」
オレの名前が呼ばれる。そんな声を聞いてしまえば、もう優しくなんて出来そうにない。
「――ごめんね」
呟いてすぐ、美咲ちゃんの唇を塞いだ。
すると、オレの胸に手が当てられる。でも、叩かれると思ったその手は背中に伸びて。
「――っ、や、び」
再び、オレの名前が呼ばれた。
正直、ここまで理性を保ってる自分って、結構スゴいと思う。
それだけ大事にしたいって気持ちがあるんだろうなと、自分で自分に感心していた。
――どれだけ続けていたのか。
何度目かのキス。まだ満足はしてなかったけど、これ以上は体を求めてしまいそうだから、最後に吸い付くようなキスをして終わりにした。
行為が終わっても、オレの背中に回された手は離れなくて。美咲ちゃんの名前を呼べば、ようやく、背中にあった手は離れていった。




